薄毛対策を調べていると、「植毛とAGA治療はどっちがいいの?」と迷う人も多いのではないでしょうか。
どちらも薄毛対策として知られていますが、治療の目的や仕組みは大きく異なります。
AGA治療は、内服薬や外用薬を用いて薄毛の進行を抑制し、自身の毛髪を育てる治療です。
対して植毛は、後頭部などの健康な毛髪を薄い部分へ移植し、見た目を変える外科手術を指します。
現在の薄毛の進行度や、どの程度の変化を求めるかによって、選択すべき手法は分かれます。また、費用体系、効果が出るまでの期間、術後のダウンタイム(回復期間)においても大きな差があります。
本記事では、植毛とAGA治療の根本的な違い、費用対効果の比較、そして「どちらを選ぶべきか」の判断基準を具体的に解説します。
植毛とAGA治療の違い

植毛とAGA治療は、どちらも薄毛対策ですが、治療の目的とアプローチは根本から異なります。
そのため、一概に優劣を競うものではありません。自身の薄毛の状態や「どこをどう改善したいか」という具体的な目標に合わせて選ぶ必要があります。
AGA治療は薄毛の進行を抑える治療

AGA治療の主目的は、薬理作用によって薄毛の進行を物理的に抑制することです。
AGA(男性型脱毛症)は進行性の脱毛症であり、何もしなければ時間の経過とともに髪は細くなり、抜け毛の数は増え続けます。
| 治療法 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 内服薬 | フィナステリド、デュタステリドなどの服用 | 脱毛抑制 抜け毛の原因ホルモンをブロックし、進行を止める |
| 外用薬 | ミノキシジル外用薬を頭皮に直接塗布 | 発毛促進 血行を良くし、毛母細胞を活性化させて髪を太くする |
| 注入薬 ・メソセラピー | 成長因子やミノキシジルを頭皮に直接注射 | 薬液を毛根にダイレクトに届け、発毛スピードを上げる |
具体的な治療では、内服薬などを用いて薄毛の根本原因であるホルモン(DHT)の生成を阻害します。これにより、短縮してしまったヘアサイクルを本来の長さに戻し、髪が太く長く育つための成長環境を改善。
また、AGA治療は今生えている髪を維持し、次を強く育てることに特化しています。
進行のブレーキをかけ続けることで、年齢に抗い、健康な毛髪状態を長期にわたって維持することが可能になります。
植毛は髪を移植して見た目を補う治療
植毛は、自身の健康な毛髪を薄い部分へ移植し、物理的な毛量を劇的に改善する外科治療です。
| 内容 | 効果 | |
|---|---|---|
| 自毛植毛 (再建) | 後頭部の毛根を薄い部分へ移植する外科手術 | 薬で生えない場所に物理的に髪を増やす 一生生え続ける |
一般的に、AGA(男性型脱毛症)の影響をほぼ受けない後頭部や側頭部の毛包を採取し、生え際や頭頂部などのターゲット部位に直接移植します。
最大の特徴は、移植された髪がその場所に定着した後、性質を維持したまま自然に生え変わり続ける点です。
スカスカになった密度を補うだけでなく、後退した生え際のラインを細かくデザインして再構築できるのです。
ただし、頭皮を扱う外科手術であるため、相応の費用や術後の腫れや赤みといったダウンタイムが発生します。
対応している問題がそもそも違う
植毛とAGA治療は、いずれも薄毛対策として有効ですが、解決しようとしている問題の性質が根本的に異なります。
AGA治療は、薄毛を引き起こす体内のホルモン(DHT)をブロックし、進行そのものを食い止める原因療法です。
ヘアサイクルを正常化させることで「これ以上髪を減らさないこと」や「今ある髪を健康に維持すること」に置かれます。
対して植毛は、薄毛の原因を抑制する治療ではなく、髪のない場所に自身の毛根を移動させる医療的な再建術です。
薬では改善が難しい部位に対し、直接的に髪の密度を上げたり、後退した生え際のラインを再構築したりすることで、外見の変化を実現します。
植毛とAGA治療の比較
植毛とAGA治療は、それぞれ目的や治療方法が異なるため、効果・費用・治療期間などさまざまな点で違いがあります。
そのため、どちらが良いかを判断する際は、それぞれの特徴を比較して考えましょう。
| 植毛 | AGA治療 | |
|---|---|---|
| 目的 | 毛量の再構築・デザイン | 薄毛の進行抑制・毛質の改善 |
| 効果 | ツルツルの箇所に髪を復活させる | 全体の密度を上げ、抜け毛を止める |
| 持続性 | 半永久的 移植毛はAGAの影響を受けにくい |
服用中のみ |
| 即効性 | 植えれば確実にそこに毛が出る | 半年〜1年の継続が必須 |
| 初期費用の目安 | 数十万〜200万円程度(基本料金+本数) | 数千円〜2万円程度(診察・薬代) |
| 月額費用の目安 | ローン返済がなければ0円 | 5,000円〜15,000円程度 |
| 治療の終了時期 | 手術自体は1日で終了 | 維持したい期間中 |
| 通院・施術頻度 | 手術当日・数回の定期検診 | 薬は毎日服用・ 数ヶ月に1回の診察 |
| ダウンタイム期間 | 約1週間〜10日間 | なし |
| ダウンタイムの主な症状 | 腫れ、赤み、かさぶた、痛み | 特になし 副作用が発生することはある |
| 中断した場合 | 移植した毛はそのまま生え続ける | 数ヶ月で元の薄毛の状態に戻る |
効果の違い
| 植毛 | AGA治療 | |
|---|---|---|
| 目的 | 毛量の再構築・デザイン | 薄毛の進行抑制・毛質の改善 |
| 効果 | ツルツルの箇所に髪を復活させる | 全体の密度を上げ、抜け毛を止める |
| 持続性 | 半永久的 移植毛はAGAの影響を受けにくい |
服用中のみ |
植毛とAGA治療は、それぞれ期待できる効果の役割が根本的に異なります。AGA治療は、主に内服薬を用いて薄毛の進行を食い止める原因療法です。
毛髪が細く抜けやすくなるヘアサイクルの乱れを正常化し、今ある髪を健康に維持することを最大の目的とします。「これ以上薄毛を悪化させたくない」という方にとって、避けては通れない基本の治療です。
即効性の違い
| 植毛 | AGA治療 | |
|---|---|---|
| 即効性 | 植えれば確実にそこに毛が出る | 半年〜1年の継続が必須 |
AGA治療は、薬の力で乱れたヘアサイクルを正常化させる体質改善が可能です。
新しい髪が細胞から作られ、太く育って地表に現れるまでには、物理的な時間が必要です。
一般的に効果の判定には少なくとも6ヶ月の継続が必須であり、短期間で劇的な変化を求めることはできません。
一方、植毛は手術によって髪が物理的に配置されるため、直後からどこに髪があるかは明確になります。
しかし、植毛も術後に一度毛が抜けてから生え変わるステップを踏むため、最終的な完成には半年から1年程度かかります。
費用の違い
| 植毛 | AGA治療 | |
|---|---|---|
| 初期費用の目安 | 数十万〜200万円程度(基本料金+本数) | 数千円〜2万円程度(診察・薬代) |
| 月額の目安 | ローン返済がなければ0円 | 5,000円〜15,000円程度 |
植毛とAGA治療では、費用のかかり方にも大きな違いがあります。
AGA治療は初期投資が非常に安いため、誰でもすぐに始められるのがメリットです。
しかし、効果を維持するためには服用を続ける必要があるため、やめない限り費用が発生し続けるでしょう。
植毛は、移植した毛根が定着すれば、その毛に関しては追加の維持費がかからないのが最大の魅力です。
治療期間の違い
| 植毛 | AGA治療 | |
|---|---|---|
| 治療の終了時期 | 手術自体は1日で終了 | 維持したい期間中 |
| 通院・施術頻度 | 手術当日・数回の定期検診 | 薬は毎日服用・ 数ヶ月に1回の診察 |
AGA治療と植毛は、どちらも髪の成長サイクル(ヘアサイクル)を待つ必要があるため、数ヶ月〜1年単位の長期的な視点が不可欠です。
即効性を求めるのではなく、それぞれの治療がどのタイミングで、どのような変化があるのか、きちんと理解しましょう。
ダウンタイムの違い
| 植毛 | AGA治療 | |
|---|---|---|
| ダウンタイム期間 | 約1週間〜10日間 | なし |
| 主な症状 | 腫れ、赤み、かさぶた、痛み | 特になし 副作用が発生することはある |
主に内服薬や外用薬を用いるAGA治療は、日常生活を制限するようなダウンタイムは原則としてありません。
仕事や趣味などのライフスタイルを一切変えることなく、スムーズに治療を継続できる点が大きなメリットです。
対して植毛は、頭皮に毛根を移植する外科手術を伴うため、施術後に一定期間のダウンタイムが発生します。
術後数日間は、移植部位の赤みや額の腫れ、かさぶたなどが生じる場合があり、自然な状態に落ち着くまでには1週間から10日ほどの期間が必要でしょう。
継続の必要性の違い
| 植毛 | AGA治療 | |
|---|---|---|
| 治療の期間 | 原則1回で完結 | 髪を維持したい間 |
| 中断した場合 | 移植した毛はそのまま生え続ける | 数ヶ月で元の薄毛の状態に戻る |
AGA治療は、薄毛の進行を食い止めるための継続を前提とした治療です。AGAは進行性の疾患であるため、治療を中断すれば再び脱毛因子が活性化し、薄毛が進行し始めます。
理想の状態を維持し続けるためには、長期的な服用・塗布を続ける必要があります。
一方、植毛は施術そのものは一度で完了する完結型の治療です。移植された毛根は、AGAの影響を受けにくい後頭部の性質を維持したまま定着。術後は薬に頼ることなく一生自活し、生え変わり続けます。
植毛のメリット・デメリット
自毛植毛は、自身の毛根を移動させて理想の毛量を再建する画期的な治療ですが、特有のメリットとデメリットが存在します。
これらを冷静に比較・理解しておくことが不可欠です。
植毛のメリット
薬では改善が難しい生え際やM字部分に対し、物理的に密度を補い、ヘアラインをミリ単位で整えられる点です。
移植した毛根はAGAの影響を受けにくいため、一度定着すれば生涯にわたって生え変わり続け、自然な印象を取り戻すことができます。
また、移植した髪の毛が定着すると、その髪の毛は自然に伸び、通常の髪の毛と同じように扱えます。ヘアカットやスタイリングなども行えるため、自然な仕上がりを目指す治療としておすすめです。
植毛のデメリット
一方で、植毛は高度な技術をつかった外科手術であるため、初期費用が数十万〜数百万円と高額になる傾向があります。
また、赤み、腫れ、かさぶたなどの術後1週間程度のダウンタイムと症状が避けられず、日常生活に一時的な制限が生じる点もデメリットです。
さらに重要なのは、植毛は現在の薄毛を修正するものであり、進行を止める力はないという点です。
そのため、移植した毛以外のすでに生えている毛を守るために、AGA治療薬の併用が推奨されるケースが一般的です。
AGA治療のメリット・デメリット
AGA治療は、内服薬や外用薬を用いて薄毛の進行を食い止める内科的アプローチです。
植毛に比べて心理的・身体的なハードルが低く、導入しやすい治療ですが、メリットとデメリットを正しく理解しておく必要があります。
AGA治療のメリット
AGA治療のメリットは、手術のような外科的処置を一切行わずに治療を開始できる点です。
薄毛の根本原因であるホルモンバランスに直接働きかけるため、初期から中期の段階であれば、抜け毛を減らしつつ今ある髪を太く育てる効果が期待できます。
AGA治療は、多くの専門家がまず最初に検討すべき標準的な薄毛治療として推奨しています。
AGA治療のデメリット
AGA治療は体質改善に近い内容であるため、見た目に大きい変化が現れるまでには最低でも半年から1年程度の継続が不可欠です。
また、最大の注意点は、治療を中断すると再び薄毛の進行が始まってしまう点にあります。理想の毛量を維持したい期間中は、服用をルーティン化し、治療費を払い続ける必要があります。
ほかにも、生え際の後退が大きく、すでに産毛すら消失してつるつるになっている頭皮では、AGA治療のみで元の髪の毛を取り戻すことは極めて難しいです。
植毛の注意点
自毛植毛は自分の毛を移動させる極めて合理的で効果の高い治療ですが、外科手術である以上、避けては通れない身体的なリスクがあります。
術後の一時的な悪化や見た目の違和感は、事前に正しく知っておかないと大きな精神的ストレスになりかねません。
手術の刺激で一時的に髪が減る
手術の刺激や麻酔の影響により、移植した毛ではなく、その周囲に元々生えていた既存の毛が一時的に抜け落ちることがあります。
これは術後1ヶ月〜数ヶ月の間に起こる一時的な現象で、毛根が死んだわけではないため、時期が来れば再び生え揃います。
しかし、術直後に「以前より薄くなった」と感じる期間があることは、あらかじめ覚悟しておきましょう。
生え際デザインで後悔することも
植毛は一度定着すると一生生え続けるため、デザインの失敗は致命的です。
欲張って生え際を下げすぎたり、一直線すぎる不自然なラインを作ってしまうと、年齢を重ねた時に周囲の薄毛が進み、移植部だけが浮いてしまう状態になるリスクがあります。また、植える密度が足りないと、スカスカした印象になることも。
将来の加齢現象まで見据えた、緻密なヘアライン設計が成功のポイントとなります。
後頭部に採取跡ができやすい
毛根を採取する後頭部には、必ず採取の跡が残ります。
| 植毛方法 | 採取の跡 |
|---|---|
| メスで頭皮を切り取る手法(FUT) | 細長い一本の線状の傷 |
| 専用のパンチでくり抜く手法(FUE) | 小さな点状の白い跡 |
最新の技術で目立たなくすることは可能ですが、将来的に髪を極端な短髪(スキンヘッドや短い刈り上げ)にした場合には、これらの傷跡が露出する可能性がある点に注意が必要です。
AGA治療の注意点
AGA治療には、副作用のリスクと健康管理などの避けて通れない注意点があります。
これらをしっかりと理解してAGA治療に取り掛かりましょう。
初期脱毛が起きやすい
治療を開始して1ヶ月前後、一時的に抜け毛が以前よりも増える初期脱毛が起きるケースが多く見られます。
これは薬が効き始め、休止期にあった弱い髪が新しい髪に押し出される生え変わりのサインです。
決して症状が悪化したわけではありませんが、知識がないとパニックになり治療を断念してしまう人が多くいるので注意しましょう。
副作用のリスク
フィナステリドやデュタステリドなどの内服薬は、まれに性欲減退や勃起不全などの性機能障害のほか、肝機能への影響を及ぼすリスクがあります。
発症率は数%程度と低いものの、体調に異変を感じた際は速やかに医師に相談できる環境が必要です。
また、女性や子供が成分に触れることのないよう、薬の管理には細心の注意が求められます。
心理的・経済的負担が比較的大きい
AGA治療は完治するものではなく、髪を維持したい期間中はずっと続けなければならない終わりのない治療です。
毎日の服用を忘れない心理的な手間と、月々数千円〜数万円の費用が10年、20年と積み重なる経済的負担は、想像以上に重くのしかかるでしょう。
「いつまで、いくら払い続けるのか」という長期的なプランを考えておくことが、後悔しないために重要です。
植毛が向いている人
植毛はすべての薄毛のケースに適しているわけではなく、薄毛の状態や改善したいポイントによって向き不向きがあります。
また、植毛は自分の髪の毛を移植する治療のため、移植に使える髪の毛(ドナー)の状態も重要です。そのため、後頭部などに十分な髪の毛が残っているかどうかも判断のポイントになるでしょう。
M字部・生え際の後退が強い人
生え際の後退やM字部分の薄毛は、見た目の印象に影響しやすい部位です。こうした部分はAGA治療だけでは大きな見た目の変化を感じにくいケースもあるため、植毛が検討されることがあります。
生え際はAGAの影響を最も受けやすく、一度毛根が死滅してツルツルになってしまうと、内服薬だけで元のラインに戻すのは極めて困難です。
植毛なら、理想のヘアラインをミリ単位で再構築できるため、前髪を上げたスタイルを楽しみたい方に最適です。
見た目の変化を早く出したい人
植毛は、髪の毛を移植することで薄毛部分に髪の密度を補う治療です。
一手術した場所に必ず毛根が配置されるため、ゴールや完成形が明確です。
AGA治療は効果の実感までに半年〜1年以上かかり、しかもどこまで増えるかは個人の体質に左右されます。いつ生えるかわからない不安を負いたくない人に向いています。
AGA治療だけでは改善が難しい人
薄毛の進行がある程度進んでいる場合、AGA治療だけでは見た目の変化を感じにくいケースがあります。
AGA治療は主に薄毛の進行を抑えることを目的とした治療で、髪の毛がほとんど残っていない部分では改善が難しい場合も少なくありません。
例えば、生え際の後退が大きく進んでいる場合や、髪の密度が大きく減っている場合には、数年間薬を飲み続けても、産毛止まりで髪の密度に満足できないことがあります。
これは毛根の再生能力が限界を迎えているサインです。薬の限界を、元気な後頭部の毛根を移植するという物理的な解決法で突破できるのが植毛の強みです。
十分なドナーがある人
自毛植毛を成功させるためには、移植の供給源となるドナー(既存の髪)が十分に確保されていることが絶対条件です。
一般的に、後頭部や側頭部の髪はAGAを引き起こすホルモンの影響をほとんど受けない性質を持っています。
この抜けにくい性質は、薄毛部位に移植された後も維持されるため、確実な改善が見込めるでしょう。ただし、ドナーとして採取できる髪の本数には物理的な限界があります。
そのため、現在の薄毛の範囲に対して、後頭部に十分な密度と本数が残っているかどうかが、手術の成功や仕上がりの密度を左右する判断基準となります。
AGA治療が向いている人
AGA治療は、脱毛ホルモンの働きを抑制し、薄毛の進行そのものを根本から食い止める治療です。
特に、現状の毛量をこれ以上減らしたくない方や、まだ地肌が完全に見えていない薄毛の初期〜中期段階にある方にAGA治療はおすすめと言えるでしょう。
薄毛の進行を止めたい人
AGAは放っておけば確実に進む進行性の脱毛症で、時間の経過とともに毛髪の寿命(ヘアサイクル)を削り取っていきます。
そのため、「これ以上薄毛を広げたくない」「今のボリュームを死守したい」と考える方に、AGA治療は特におすすめです。
AGA治療の本質は、抜け毛の主原因である脱毛ホルモン(DHT)の働きを阻害し、乱れたヘアサイクルを正常な状態へ戻すことにあります。
これにより、細く短くなった髪を再び太く長く育てて、今の毛髪密度を維持することが可能になります。
AGA初期〜中期の人
AGAの初期症状である抜け毛の増加や髪の軟毛化(細くなること)は、毛根が寿命を迎えつつあるサインです。
この段階で適切な治療を開始すれば、薄毛の進行を食い止めるだけでなく、すでにある毛髪の密度を底上げし、見た目の印象を大きく若返らせることが可能でしょう。
また、薄毛の範囲が局所的で広がりきっていない場合、まずは低リスクなAGA治療で数ヶ月から1年ほど経過を観察するのも効果的です。
自毛がどこまで自力で回復できるかを見極めることで、高額な植毛が必要か正確に判断できます。
外科的治療に抵抗がある人
自毛植毛は外科手術を伴うため、術後の痛みや傷跡に対して強い不安や抵抗を感じる方も少なくありません。
心理的ハードルを考慮し、まずはメスを使わない内科的アプローチであるAGA治療から開始するのが一般的です。
AGA治療の主流は、1日1回の内服や朝晩の外用(塗り薬)や内服薬です。入院や大掛かりな処置を必要としないため、仕事や趣味といったライフスタイルを一切変えることなく、スムーズに治療を開始できます。
費用を抑えて始めたい人
薄毛対策を開始するにあたり初期費用を最小限に抑えたい方にとって、AGA治療は最も現実的でしょう。
数十万〜数百万円という一括費用が必要になる植毛とは異なり、AGA治療は月々の薬代のみで開始できます。
高額なローンを組んだり、貯金を切り崩したりする心理的・経済的ハードルが極めて低いため、20代〜30代の若い世代でも無理なくスタートできるのが大きな強みです。
ただし、AGA治療は継続が前提のサブスクリプション型治療です。効果を維持したい期間中は、月数千円〜数万円のコストが永続的に発生します。
短期的な安さだけに目を奪われるのではなく、5年、10年と続けた際の生涯コストを算出し、自分のライフプランにマッチするかを冷静に見極めることが重要です。
植毛とAGA治療で迷ったときの判断基準
植毛とAGA治療はそれぞれ役割が異なるため、どちらを選ぶべきか迷うケースも多いといわれています。
迷った際、後悔しないための判断基準を整理しました。
薄毛の進行度で考える
薄毛治療において最も重要なのは、その場所に毛根が生きているかです。
鏡で見たときに、細く短い産毛がまだ残っているなら、毛根は生きています。
この段階なら、薬でヘアサイクルを正常化させることで、産毛を太く長い毛に育て直すことができます。
地肌がツヤツヤしており、毛穴すら見えない状態は、毛根の寿命が尽きています。
ここにはいくら薬を飲んでも髪は生えてきません。外部から新しい毛根を移植してくる植毛だけが、その場所を復活させる手段です。
気になる部位で考える
AGA治療薬には効きやすい場所と効きにくい場所があります。生え際は血管が細く、脱毛ホルモンの受容体も多いため、薬の効果が出にくい難所です。
また、生え際などは1cm下げるだけで劇的に印象が変わるため、デザインを自由に決められる植毛の満足度が非常に高い部位です。
つむじ・頭頂部は比較的血流が良く、薬に反応して密度が戻りやすい傾向があります。広範囲に薄くなることが多いため、まずは薬で全体の底上げを狙うのが良いでしょう。
予算で考える
植毛とAGA治療は費用の構造が根本的に異なるため、自身の資金計画に合わせた選択が重要です。AGA治療は、内服薬や外用薬を継続的に使用する維持型の治療です。
月々の費用は数千円〜1.5万円程度と比較的少額で済むため、貯金を切り崩すことなく手軽に開始できるのが最大のメリットです。
しかし、治療をやめれば効果が消失するため、髪を維持したい期間はずっと費用が発生し、長期的には大きな総額になることを理解しておく必要があります。
対して植毛は、一度の手術で毛根を再配置する投資型の治療です。施術時に数十万〜数百万円というまとまった初期費用が必要となりますが、移植した毛髪は生え続けるため、その部位に対する追加コストは発生しません。
移植する株数(グラフト数)によって金額が変動するため、自分の理想とする密度や範囲に合わせて、オーダーメイドで予算を組むことになります。
どれくらい早く変化がほしいかで考える
植毛とAGA治療のどちらを選ぶべきかは、いつまでに、どの程度の劇的な変化を求めているかというスピードによって決まります。
AGA治療は、乱れたヘアサイクルを正常に戻し、自毛をじわじわと太く育てる長期戦の治療です。目に見える変化を実感できるまでには最低でも半年、納得のいく密度に達するには1年〜2年以上の継続が前提となります。
細胞の活性化を待つため、短期間で劇的な変身を遂げるのは難しいでしょう。対して植毛は、髪がない場所に新たな毛根を物理的に植える即効性重視の治療です。
手術によって髪の密度をダイレクトに補うため、完成形を術前のデザインで決められます。理想の姿へ近づきたい方には植毛が適しています。
継続治療を受け入れられるかで考える
植毛とAGA治療のどちらが最適かは、コストがかかる継続的なケアができるか考えましょう。
AGA治療は、脱毛ホルモンの働きを抑え続ける対症療法です。そのため、理想の毛量を維持したい期間中は、1日1回の内服や朝晩の外用薬の使用を継続することが大前提となります。
治療を中断すれば、数ヶ月から1年以内に再び薄毛が進行し、元の状態に戻ってしまうため、習慣化できるかが成功のポイントです。
一方、植毛は一度の手術で完了する完結型の治療です。移植した毛根はAGAの影響を受けない性質を保つため、その場所に関してはメンテナンスなしで一生生え変わります。
ただし、植毛には周囲の既存毛の進行を止める力はありません。移植部以外の薄毛が進んで不自然な見た目になるのを防ぐため、最低限のAGA治療を併用する方法が一般的でしょう。
植毛とAGA治療に関する疑問を解消
植毛した髪は何年くらい持ちますか?
後頭部や側頭部の毛根は、AGAの原因物質(DHT)の影響を受けにくい性質を持っています。毛が薄い部分に移植しても、その性質は維持されます。そのため、移植された髪は他の髪が抜けても生き残り、通常のヘアサイクルを繰り返しながら一生生え変わり続けます。
植毛はやめた方がいいですか?
植毛した髪は抜けませんが、植えていない周囲の元の髪はAGAで抜け続けます。もし植毛後にAGA治療を完全にやめてしまうと、植えた部分だけが残り、その周囲がハゲてしまう離れ小島のような不自然な見た目になる恐れがあります。
AGA治療をしないほうがいい人は?
地肌がツルツルになり、産毛すら生えていない部位には、薬を飲んでも反応する細胞がありません。
また、フィナステリド等の内服薬は、極めてまれに精子への影響や性欲減退の副作用が出る場合があります。
妊活期間中は医師と相談し、服用を休止するのが一般的です。肝機能に障害がある人も、医師に相談して治療を進めましょう。
自毛植毛で「悲惨」な結果になる原因は?
植毛した髪は抜けない一方、周りの既存毛がAGAで抜け進んだ結果「離れ小島」現象が起きることもあるでしょう。これは執刀医の技術不足や、無計画な植毛が原因です。
AGA治療と植毛、どちらの費用が安い?
AGA治療は月々の負担は軽いですが、ハゲたくない期間ずっと費用を払い続けなくてはいけません。30歳から60歳まで30年間続けると、総額は400万円を超えることも珍しくありません。
植毛とAGA治療は目的で選ぶことが重要
自毛植毛とAGA治療は、薄毛に対するアプローチの目的が根本から異なります。
AGA治療の目的は、抜け毛のブレーキをかけ、今ある髪を太く長く育てることです。これに対し、植毛は髪が失われた場所に新たな毛根を植えて、物理的な本数を増やす再構築を目的としています。
最終的にどちらを選ぶべきかは、単なる好みの問題ではありません。今の髪の状況と「どこまで治したいか」という希望とするゴールによって最適な治療法が決まるのです。
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