「排卵日にアフターピルを飲んでも意味がないのでは」と不安になる人は少なくありません。
しかし、排卵日を自分で正確に判断するのは難しく「排卵日っぽい」「もう排卵後かもしれない」という理由だけで受診や服用を諦めるのは危険です。
実際にはアプリの予測や基礎体温、おりものの変化だけでは、その場で排卵前か排卵後かを断定することはできません。
アフターピルは、避妊に失敗した後できるだけ早く服用することが重要です。排卵日かどうかを自分で見極めようとして時間を使うより、まずは医療機関や薬剤師に相談し、今できる選択肢を確認することが大切です。
この記事では、アフターピルは排卵日に飲んでも意味があるのか、排卵日を自己判断することがなぜ危険なのか、服用後にどのように妊娠の有無を確認すればよいのかを解説します。
排卵日とは?【仕組みをわかりやすく解説】

排卵日とは卵巣で成熟した卵子が卵巣の外へ排出される日のことです。
女性の体では月経周期に合わせて卵巣の中にある卵胞が育ち、その中で卵子が成熟していきます。
卵子が十分に成熟すると卵巣から卵子が排出されます。この現象を「排卵」といいます。排卵された卵子は卵管に取り込まれ、その後、卵管内で精子と出会うと受精する可能性があります。
受精した卵子は「受精卵」となり、子宮へ移動して子宮内膜に着床すると妊娠の成立に近づきます。
ただし、排卵日は毎周期まったく同じ日に起こるとは限りません。一般的には排卵は次の月経が始まる約14日前に起こるとされていますが、周期の長さや体調によって前後することがあります。
| 月経周期の長さ | 排卵日の目安 |
|---|---|
| 25日周期 | 月経開始から11日目ごろ |
| 28日周期 | 月経開始から14日目ごろ |
| 30日周期 | 月経開始から16日目ごろ |
| 35日周期 | 月経開始から21日目ごろ |
排卵日付近は妊娠の可能性が高まる
一般的に、避妊無しの性行為で妊娠する確率は平均で5~8%程度と言われるのに対して、排卵日付近は約20~30%とされています。
ただし、精子は女性の体内で数日間(最長5日間ほど)生存することがあるため、その間で排卵された卵子と精子が出会い、受精する可能性もあります。
そのため、排卵日の前に性行為があった場合も、妊娠の可能性がいつもより高い可能性があります。
一般的には、妊娠しやすい時期は排卵日の5日前から排卵後1日ほどまでと考えられます。特に、排卵日の1〜2日前から排卵日当日は妊娠の可能性が高い時期とされています。
排卵日・排卵後でもアフターピルの避妊効果は見込めるのか
排卵日・排卵後でもアフターピルの避妊効果は見込めるのかについては様々な研究結果がありますが、一般的には効果は0とは言えないが積極的な避妊効果は見込めないというのが定説となっています。
アフターピルには日本で一般的に使用されるレボノルゲストレルを含む72時間用ピルと、ウリプリスタル酢酸エステルを含む120時間用ピルの2種類があります。
結論からいうと、どちらの種類のアフターピルも、排卵日以降の避妊効果は見込めません。
ただし、LHサージという排卵準備のためのホルモン変化までの効果には差があります。
| タイミング | レボノルゲストレル | ウリプリスタル酢酸エステル |
|---|---|---|
| LHサージ前 | 効果を期待しやすい | 効果を期待しやすい |
| LHサージ開始後〜LHピーク前 | 効果が期待しにくくなる | まだ排卵を遅らせられる可能性がある |
| LHピーク以降・排卵後 | 効果はかなり不確実 | 効果はかなり不確実 |
排卵日であることを断定するのは難しい
前述の通り、排卵日以降にアフターピルを服用しても避妊の効果は十分に見込めないと考えられます。
ただし、注意が必要なのは各自が認識している排卵日が、医学的に常に正確とは限らないという点です。
アプリの予測、基礎体温、おりものの変化、体感などは、排卵の目安にはなりますが、それによって排卵日を断定することはできません。
「排卵日に入ってしまっている」と誤認をしてアフターピルの服用等を諦めるといったケースはできるだけ避けるべきで、やはりまずは医療機関へ相談するのがおすすめです。
排卵日の周期は一定とは限らない
実際の排卵日は毎周期まったく同じとは限らず、ストレス、睡眠不足、体調不良、生活リズムの乱れ、体重変化、ホルモンバランスの影響などで、排卵が早まったり遅れたりすることがあります。
そのため、アプリ上で排卵日や安全日と表示されていても、それが実際の体の状態と一致しているとは限りません。
同様に、下記のような兆候は排卵日の目安とされることもありますが、体調やその他の要因によっても異なるため、一概に言える訳ではありません。
- 基礎体温の上昇
- お腹の張り
- おりものの変化
- 排卵痛のような違和感
排卵日だけに注意しても妊娠する可能性がある
精子は体内で数日間生存することがあり、卵子も排卵後しばらく受精の可能性があります。
精子は体内で最長5日ほど生存することがあり、卵子は排卵後12〜24時間ほど受精可能とされています。
そのため、妊娠の可能性が高くなる時期は、排卵日当日だけではなく、排卵日の5日前から排卵後1日ほどまでと考えられます。
排卵日の数日前から排卵後の短い期間までを含めて、妊娠の可能性がある時期として考える必要があります。
自己判断でアフターピルの服用を諦めないことが大切
排卵日付近の性行為で避妊に失敗した場合、「もう排卵しているならアフターピルを飲んでも意味がないのでは」と考えてしまう人もいます。
しかし、前述の通り、自分で排卵前・排卵中・排卵後を正確に判断することは困難です。
そのため、「排卵日かもしれない」「もう排卵後かもしれない」という理由だけでアフターピルの処方が無駄だと個人で判断し、相談や受診を諦めるのは避けましょう。
アフターピルを使用できるかどうか、どの選択肢が適しているかは、性行為からの経過時間、月経周期、体調、服薬状況などを踏まえて判断する必要があります。
自己判断で時間を使ったり受診を先延ばしにしたりするよりも、できるだけ早く産婦人科などの医療機関やオンライン診療で相談し、今できる対応を確認することが大切です。
アフターピルは早く飲むほど効果を期待しやすい
アフターピルは避妊に失敗した性交後にできるだけ早く服用することで妊娠を防げる可能性を高める薬です。
特にレボノルゲストレル系は72時間以内の服用が基本とされており、時間が経つほど効果は期待しにくくなります。
「排卵日かもしれない」「アプリでは危険日と出ている」と悩んでいる間にも時間は経過してしまうため、迷った時点で早めに相談することが重要です。
排卵日付近で不安なときによくある質問
排卵日当日にアフターピルを飲んでも意味はありますか?
ただし、自分で「排卵日当日」「排卵後」と正確に判断することは難しいため、自己判断で服用を諦めるべきではありません。
避妊に失敗した場合は、できるだけ早く医療機関や薬剤師に相談しましょう。
アプリで排卵日と出ていたらアフターピルは効きませんか?
実際の排卵日は、体調、ストレス、睡眠不足、生活リズムの乱れなどで変動することがあります。
そのため、アプリで排卵日と表示されていても、実際に排卵済みかどうかは断定できません。
基礎体温が上がっていたら排卵後ですか?
測定時間、睡眠時間、体調、飲酒、ストレスなどでも基礎体温は変動します。
基礎体温だけでアフターピルの服用可否を判断するのは避けましょう。
排卵後にできる避妊方法はありますか?
ただし、日本国内でどの方法が選択できるかは、医療機関の対応や本人の状態によって異なります。
