マンジャロとインスリンの違いは?併用時の注意点や効果・副作用を比較

マンジャロ

マンジャロ インスリン 違い

血糖値の管理で使われる注射薬には、マンジャロやインスリンなどがあります。

マンジャロ・インスリンは、どちらもお腹などに自己注射するタイプのお薬であるため、一見すると「同じような役割の薬なのでは?」と思われがちです。

しかし、医療現場におけるこれら2つのお薬の位置づけや、体への働きかけ方や使われる目的には違いがあります。それぞれの特性を正しく理解していないと、使い方を誤り、血糖値や体調に影響することがあります。

この記事では、マンジャロインスリンの作用や効果、体重への影響、副作用を解説します。

注意点

※マンジャロには、下記のような副作用があります
主な副作用:悪心・嘔吐、下痢、便秘、腹痛、めまい、頭痛、腹部不快感など
重大な副作用:低血糖、急性すい炎、胆のう炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸など
※下記のような方は、マンジャロの処方ができない場合があります。詳しくは医師の診療に従ってください

  • 1型糖尿病
  • 糖尿病による昏睡状態
  • 過去に薬や食べ物でアレルギー反応が出たことがある
  • 胃潰瘍や炎症性腸疾患などの方
  • すい炎や甲状腺などの方(または罹患歴がある方)
  • 妊娠中・授乳中の方
  • 14歳未満や高齢者の方

※処方する量については、必ず医師の診断に従ってください
※副作用が生じた場合は、無理をせず必ず医師に相談をしてください

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【監修】院長
尾崎功治 医師(マーチクリニック院長)
医師
尾崎 功治
北京大学医学部卒業後、中国医師免許・日本医師免許を両国で取得。 帰国後、都内大学病院・総合診療科常勤医として勤務し外国人患者に特化した診療・医療インバウンドに従事。 現マーチクリニック院長として外国籍患者の診療や医療インバウンドを行う 【所属学会】 日本美容皮膚科学会国際臨床医学会
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マンジャロとインスリンの比較結果【一覧】

マンジャロとインスリンは、どちらも血糖値を下げるための自己注射薬ですが、体への働きかけ方や体重への影響には違いがあります。

薬の種類 作用メカニズム 体重への影響※作用は体質や薬量などによっても異なります 投与のタイミング 副作用 低血糖のリスク
マンジャロ
マンジャロ

(一般名:チルゼパチド)
GIP/GLP-1受容体作動薬 膵臓を刺激して、体内のインスリン分泌を促す 体重が減少することがある 週に1回 吐き気、胃のむかつき、便秘、下痢など 比較的低い
インスリン
インスリン
インスリン製剤 不足しているインスリンを直接体へ補給する 治療の過程で体重が増える人もいる 毎日(1日1〜数回) 低血糖症状(冷や汗、手の震えなど)、注射部位の脂肪肥大 比較的高い

どちらのお薬を使用する場合でも、安全に治療を進めるためには医師の指導や医療ルールを必ず守る必要があります。

マンジャロとインスリンの違い

マンジャロとインスリンの違い

マンジャロはGIP/GLP-1受容体に作用する

マンジャロは、私たちの体に元々備わっている「GIP」と「GLP-1」という2つのインクレチンホルモンの働きを活用する薬です。参考:KEGG|医療用医薬品 マンジャロ

マンジャロ自体がインスリンそのものなのではなく、膵臓を刺激して体が自分でインスリンを分泌する力をサポートします。

食欲や胃の動きに関わる作用があり、胃腸の動きを緩やかにして満腹感を長持ちさせます。

さらに、脂肪の代謝を調整するダブルのホルモン作用によってGIPとGLP-1の両方に作用します。

インスリンは血糖値を下げるホルモンを補充する

インスリンは、すい臓から分泌されて血液中の糖分を細胞に取り込み血糖値を下げるホルモンそのものです。参考:KEGG|インスリン製剤

体内でインスリンがほとんど作られない状態(1型糖尿病など)や極端に不足して自力の分泌だけでは追いつかない場合に、外からインスリンホルモンそのものを注射により体へ補給します。

インスリンには余った糖分を脂肪として蓄えるという、体にとって重要な働きがあります。

そのため、マンジャロとは対照的に、適切に血糖値をコントロールしていく過程で体重が増加しやすいという薬理的な特性を持っています。

マンジャロの特徴と効果

ペン型の使い捨て注射器(アテオス)で使用しやすい

マンジャロ アテオス引用:日本イーライリリー株式会社

マンジャロには「アテオス」というオートインジェクターが採用されています。

アテオスはキャップを外して皮膚に押し当て、ボタンを押すだけで自動的に注入される仕組みです。

針が最初から内蔵されており、投与の前後でも針が一切見えない設計のため、針が苦手な方でも扱いやすいと言われています。

週1回の投与で使用する

薬の成分が体内に長く留まるよう設計されているため、毎日の投与は必要ありません。

週に1回、決まった曜日に注射するだけで、持続的な血糖コントロールや食欲抑制効果が期待できます。

マンジャロの注射薬が週1回の投与で効果があるのは、薬の成分が体内に長く留まり、ゆっくりと効果を発揮し続けるように設計されているためです。

用量は2.5mgから段階的に増やす

体をマンジャロに慣らし、副作用のリスクを抑えるため、最初は最小用量の2.5mgから開始します

通常は4週間以上の間隔を空けて、医師の判断により5mg、7.5mgと段階的に増量(ステップアップ)していきます。

ただし、薬物濃度が急激に跳ね上がると、激しい腹痛を伴う重い副作用につながるおそれがあります。

「早く痩せたい」からと、医師の指示を無視して急激に量を増やしたり、不規則な使い方をしたりすることはリスクが大きいため、自己判断で使い方は変えないようにしましょう。

吐き気・下痢・便秘などの副作用が出やすい

マンジャロは胃腸の動きや脳の満腹中枢に働きかけるため、特に使い始めや増量期には、吐き気、胃のむかつき、下痢、便秘などの消化器症状が現れやすい傾向にあります。

激しい嘔吐や下痢を無理に我慢して適切な水分補給を行わないと、脱水につながることがあります。

体内の水分が著しく失われることで腎臓への血流が低下し、急性腎不全などの深刻な腎機能障害を二次的に招く恐れがあるため、体調に異変を感じたらすぐに医師の診察を受けましょう。

インスリンの特徴と効果

カートリッジを交換するペン型注射器を使用する

ミリオペン®正しい使い方

引用:日本イーライリリー株式会社

インスリンの自己注射には、主にペン型の注射器が使用されます。

お薬がなくなったら中のカートリッジを新しいものに入れ替えて本体を使い回すタイプや、薬と注射器が一体になっていて丸ごと使い捨てるタイプなどがあります。

投与のたびに、自分で先端に使い捨ての極細針を取り付け、ダイヤルで必要な単位数をセットして注入する操作を行います。

速効型・持効型・混合型がある

ライフスタイルや血糖値の変動パターンに合わせて、効果の現れ方や持続時間が異なる様々なタイプが用意されています。

インスリンの種類 特徴や役割
超速効型・速効型 食事の直前に注射し、食後の急激な血糖値の上昇(スパイク)をピンポイントで抑える
持効型 1日1〜2回、決まった時間に注射
インスリンを1日中安定して補う
混合型 超速効型(または速効型)と持効型の薬をブレンドしたタイプ
食後の血糖上昇の抑制と、基礎インスリンの補充を1本の注射で同時に補う

食事の直前に打って食後の急激な血糖上昇を抑える速効型(超速効型」、24時間基礎的なインスリンを補う持効型、これらをあらかじめ最適な割合でブレンドした混合型などがあり、医師が最適な治療プランを組み立てます

持続時間はほとんどが24時間以下

毎日体内で必要とされるインスリンを補うため、ほとんどの製剤の持続時間は24時間以下(タイプによっては数時間〜1日弱)に設計されています。

そのため、週に1回で効果が続くマンジャロやオゼンピックとは異なり、原則として1日に1回〜数回、決まったタイミングで継続して投与する薬です。

インスリンは血糖値をコントロールする上で極めて重要なお薬ですが、ホルモンを直接体に補充するという特性上、使用にあたっては持続時間をきちんと理解する必要があります。

低血糖発作の副作用に気をつける

低血糖は、血糖値が下がるにつれて症状が段階的に進行します。低血糖は早めに気づいて対応することが大切です。

激しい空腹感、冷や汗、手の震え、動悸(心臓がバクバクする)、頭痛、めまい、イライラ感などは低血糖発作の初期症状として現れることも。

低血糖は、お薬の効果に対して体内の糖分が足りていないときに起こります。手の震えや冷や汗などの初期症状を感じたら、すぐにブドウ糖またはブドウ糖を含む清涼飲料水を摂取してください。

また、体調不良が改善しない場合は、なるべく早い段階で医師に診てもらいましょう。また、低血糖が疑われる場合の対応の説明を、事前に医師や薬剤師から受けておきましょう。

マンジャロとインスリンを併用すると低血糖のリスクが増加する

マンジャロとインスリンを併用すると、血糖値を下げる効果が強く働いて低血糖のリスクが増加するため、医師による管理が不可欠です。マンジャロとインスリンを併用すると低血糖のリスクが増加する

引用:日本イーライリリー株式会社|マンジャロ(チルゼパチド)電子化された添付文書

併用する場合は、医師の判断によりインスリンの減量(通常1〜2割程度)が検討されるのが一般的です。

加えて、マンジャロは2.5mgから段階的に増量していく必要があるなどの注意点にも気をつけましょう。

そもそも、マンジャロとインスリンは、血糖値を下げる仕組みが根本から異なります。自己判断で併用したり、薬を切り替えたりすることは避けてください。

薬の併用を希望する際は、まずは必ず主治医に相談することが基本です。

参考:日本イーライリリー株式会社|インスリン併用時にマンジャロ(チルゼパチド)はインスリンと同タイミングで注射してよいか?

マンジャロ・インスリンの使用で気をつけるポイント

マンジャロ・インスリンの使用時に注意すべきポイントをまとめました。

どちらの薬も判断は避け、医師の指示通りに投与しましょう。

インスリンは体重減少のための薬ではない

インスリンは、血液中の糖分を細胞に取り込んでエネルギーに変えるためのホルモンそのものです。

インスリンには余った糖分を脂肪として蓄えるという薬理作用があるため、血糖値が正常にコントロールされる過程で、体重が増加しやすいという特性を持っています。

「太りたくない」からと極端な食事制限を行うと、体は筋肉を優先的に分解してエネルギーを作ろうとします。

筋肉が減ると基礎代謝が著しく低下して省エネモードに切り替わり、以前と同じ食事量でもさらに太りやすくなることがあります。

インスリンはマンジャロのような体重減少のための薬ではないことを理解してください。

冷蔵庫に入れ2〜8℃で保管する

薬はタンパク質を主成分とするデリケートな薬剤であるため、厳格な温度管理が求められます。

基本的に、未使用の薬は直射日光を避け、冷蔵庫(2〜8℃)で保管してください。

このとき、凍結すると成分が壊れて効果がなくなるため、冷気の吹き出し口付近には置かないよう注意が必要です。

使用中のペンについては、製品によって室温保存が可能なものもありますが、必ず医師や薬剤師の指示、および製品の添付文書を確認してください。

マンジャロやインスリンの違いに関するよくある疑問を解消

マンジャロとインスリンは同じですか?

どちらもお腹などに自己注射するため混同されがちですが、成分も体へのアプローチ方法も違います。

マンジャロは体内のホルモンを活性化させ、自分の体でインスリンを出すサポートをする薬です。

インスリンは体内でインスリンが作れない、または極端に不足している場合に、血糖値を下げるホルモンそのものを外から直接補給する薬です。

マンジャロの欠点は何ですか?

マンジャロは使い始めや増量期において、吐き気、胃のむかつき、下痢、便秘などの消化器症状が現れやすい傾向にあります。

胃腸の副作用が出やすいことで、激しい嘔吐や下痢を我慢して脱水状態になると、急性腎不全などの深刻な腎機能障害を二次的に引き起こすリスクもあります。

マンジャロからインスリンに切り替える場合は?

マンジャロからインスリンへの切り替え、あるいはその逆の変更を行う場合は、必ず主治医の指示のもとで厳密に行う必要があります。

薬を切り替える際は、現在の膵臓の状態や、日々の血糖値の動き、体質などを医師が総合的に判断します。自己判断で薬を変えたりやめたりすることは避けましょう。

マンジャロと糖尿病の薬の違いは何ですか?

糖尿病の薬には、大きく分けて注射薬と経口薬があり、マンジャロはその中の注射薬でGIP/GLP-1受容体作動薬という位置づけになります。

マンジャロ・インスリンは使用目的に明確な違いがある

マンジャロとインスリンは、どちらも血糖値のコントロールに用いられる自己注射薬ですが、その使用目的や体への働きかけ方には違いがあります。

また、医師の診断・指導は必須であり、処方してもらう際も医療機関の受診を絶対に欠かすことはできません

薬剤は、体の代謝や血糖値、ホルモンバランスに直接作用する医療用医薬品です。

医師の適切な管理なしに使用することは、命に関わる重篤な健康被害を招くリスクが高くなります。

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