ダイエットに繰り返しチャレンジしてなかなか結果が出ず、悩んでいる方は少なくありません。
マンジャロは糖尿病治療薬として開発された薬で、強い食欲抑制・血糖コントロール作用から肥満の治療薬として海外では使用されています。
短期間でダイエット効果が期待できる一方で、体質に合わなかったり使い始めや用量変更時に吐き気や嘔吐、発熱、筋肉痛・低血糖などの副作用を心配している方が多く、診察時に多くの質問を頂きます。
今回はマンジャロの副作用と紹介と、副作用をできる限り減らすために注意すべきポイントについて詳しく解説します。
目次
【一般的な副作用】
消化器に関する症状が主に報告されています。
・嘔気、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、消化不良、食欲減退
・注射部位の赤み、腫れ、痛み
・味覚障害、浮動性めまい(ふわふわとした感覚を伴うめまい)
【重大な副作用】
発生率はわずかで稀ではあるものの、マンジャロは下記の重大な副作用も報告があります。
・低血糖(冷汗・めまい・震え・意識低下など)
・急性膵炎(激しい腹痛・激しい背部痛・嘔吐・発熱など)
・胆嚢炎(右上腹部の痛み・発熱など)
・アナフィラキシー(血圧低下・呼吸困難など)
・血管性浮腫(皮膚および粘膜の浮腫など)
発生頻度 | 症状 |
---|---|
5%以上 | 悪心(胃のむかつき・嘔気)、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、消化不良、食欲減退 |
1~5% | 腹部膨満感、胃食道逆流性疾患、げっぷ(曖気)、注射部位反応(赤み・腫れ・痛み)、膵アミラーゼ増加、リパーゼ増加、疲労感増強 |
1%未満 | 心拍数増加、低血圧、鼓腸、胆石症、糖尿病網膜症、過敏症(湿疹、発疹等) |
低血糖、急性膵炎、胆嚢炎・胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸などの重大な副作用は頻度は0.1%未満と言われています
2023年4月18日~2023年10月17日まで6ヶ月間、約132,400症例を対象とした副作用に関する調査結果を見ると、マンジャロの発生頻度の高い副作用として悪心が659件(約0.5%)、食欲減退が364件(約0.27%)、下痢200件(約0.14%)、嘔吐172件(0.12%)、低血糖83件(約0.06%)の報告となっています。
マンジャロの副作用は「初めて使用するとき」と「投与量を増やすとき」に起こりやすい傾向があります。
また持続時間は2~3日で消失する場合もあれば2〜4週間程度続く場合もあります。
ただこれらの症状があっても徐々に軽減していく傾向がありますが副作用の持続期間や症状の強さには個人差があり、体質や生活習慣、投与量によっても異なります。
症状が軽減しない場合や新たな副作用が出現した場合は、速やかに医師に相談しましょう。
マンジャロは「初めて使用するとき」と「投与量を増やすとき」に副作用が起きやすい傾向にあります。
そのため突然マンジャロ5mgなどから開始はせず、まずは週1回2.5㎎からスタートし目標体重に向けて4週間ごとに2.5㎎ずつゆっくり増やしていくことで消化器症状の副作用リスクを減らすことができます。
「増やした方が効果ありそうだから…」
「少し副作用あるけど、早く体重減らしたいから…」
と副作用がありながらも増量を希望される方がいますが、副作用なく体重減少あれば無理な増量はせず、そのmgを継続して使うことをおすすめします。
体重が減少しBMIが改善するほど、体重が下がりにくくなって来る傾向はありますが無理に増量はしないようにしましょう。
胃腸への負担や吐き気を防ぐために「脂肪成分を多く含む食事を避ける」「食事の回数を増やして1回の食事の量を減らす」ことで副作用が減ることが期待できます。
また、お酒はほどほどであれば通常通り飲んでも構いませんが、過度な飲酒は嘔気を誘発するため治療期間中は節酒を心がけるようにしましょう。
- マンジャロの副作用がでた場合、すぐに中止した方が良いですか?
- マンジャロの副作用が現れても自己判断ですぐに中止はせず、まず医師に相談するようにしましょう。
ほとんどの副作用は一時的な症状で数日程度で改善することが多いほか、身体が薬に慣れるにつれて症状は軽減する場合が多いです。
ただし、上記のような重大な副作用を疑う症状が出た場合には医師に相談し、必要時は使用が中止となる場合があります。
- マンジャロの副作用は出やすいですか?
- マンジャロの副作用おもに嘔気や嘔吐・腹部の不快感など消化器系の症状が多いもののリベルサスやオゼンピック・サクセンダなどの他のGLP-1受容体作動薬と大きな差はなく、反対にマンジャロは依存性や精神面への影響が少ないことが特徴とされています。