昨今ダイエット薬としも人気のあるGLP1注射薬のサクセンダやオゼンピック・マンジャロはいずれも注射薬であるため、自己注射が必要になります。
一方で自身で注射を打った経験のない方がほとんどであるため、医師から説明を受けたり説明書を読んでもなかなかイメージが沸かない方や、また診察時に聞き忘れてしまった方もいるのではないでしょうか。
今回はサクセンダやオゼンピック・マンジャロなどの「皮下注射」が必要な薬剤について、その正しい打ち方や細かな疑問点をまとめて解説していきます。
目次
サクセンダ・オゼンピック・マンジャロはいずれも注射薬であるため、内服薬と違って自分で注射をする必要があります。
これらの薬は医療機関において適切な注射方法を受けた方、またはその家族のサポートのもと注射が可能です。
ただ針のタイプや打ち方も種類によって様々で、毎回針を交換するものもあれば1本1回の使い切りタイプもあります。
使用前に説明書をよく読んで正しい方法を身につけることが大切です。
製薬会社のホームぺージでも自己注射方法についてのパンフレットや動画がありため初めての方はぜひ一度参考にしてください。
GLP-1注射薬は「皮下注射」になります。
皮下注射で注射できる場所は「腹部(おなか)」、「大腿部(太もも)」または「上腕部(二の腕)」の3か所ですが打ちやすさの観点から「腹部」「大腿部」をおすすめします。
ちなみにインフルエンザ・ワクチンなども同じ皮下注射になりますが、ほとんどの方が「二の腕」に打たれたことが多いと思いますが、ワクチンは医師や看護師が注射するためお腹よりも二の腕の方が打ちやすい特徴があります。
ダイエット薬の自己注射の場合、二の腕に自分自身で打つことは難しいためお腹や太ももに打つようにしましょう。
筋肉注射は皮下注射よりも免疫効果がつきやすく、副反応も小さいことからワクチン接種などで選ばれることが多い接種方法です。
一方で皮下注射の特徴は薬剤成分がゆっくり吸収されるため、1回の注射で長期間効果を持続させたいお薬の場合に皮下注射が選ばれます。
皮下注射 | 筋肉注射 | |
注射組織 | 皮下組織 | 筋肉 |
吸収速度 | ゆっくり | 早い |
主な注射部位 | 腹部・大腿部・二の腕 | 1歳未満:大腿前外側部 1~2歳:大腿前外側部 or 三角筋中央部 3歳以上:三角筋中央部 |
免疫 | つきにくい | つきやすい |
血管損傷リスク | 少ない | あり |
局所反応 | あり | 少ない |
同じ箇所に続けて注射すると、注射の刺激によりその箇所の皮膚が硬くなることがあります。
同じ箇所に繰り返し注射することはできる限り避け、もし同じ部位に注射する場合は、前回の注射箇所から2~3cm離したり、左右を変更したりして注射するようにしましょう。
おへその周りは線維組織が多く、薬剤の吸収量が不安定になることが多いと言われてるためへそ周りの周囲5cmは避けるようにしましょう。
皮下脂肪の少ない太ももの外側・内側・付け根・膝に近い位置は避け、太ももに打つ場合は中央部に打つようにしましょう。
- 注射した後は、揉んだ方が吸収されやすくなるのはホント?
- 注射後は揉まないほうが良いとされています。
一昔前は、解熱剤や抗生剤などの注射後に揉んであげるとすぐ効く、と言われていたこともありますが揉むと薬剤が急速に吸収されてしまい、局所反応やアナフィラキシーを引き起こすリスクが高まる可能性があるほか、皮下出血などの原因となります。
注射後は止血するまでガーゼなどで軽く抑える程度にしてください。
- 筋肉注射の方が吸収率高く効果が高いのはホント?
- 筋肉注射は血管が豊富に分布する筋肉に注射するため皮下注射より約2倍の速さで吸収はされますが、GLP-1注射薬はゆっくり時間をかけて吸収がされる必要があるため、効果が高くなるという認識は誤りです。
反対に効果時間が短くなってしまったり、短時間で吸収されるため副作用が強くでる可能性があるため、医師の指導通り正しい方法で注射を行ってください。
- 皮下注射より筋肉注射が痛いのはホント?
- 筋肉注射は痛い、というイメージがありますが皮下注射・筋肉注射の痛みの差はないとされています。
皮膚は「表皮、真皮、皮下組織」の順で深くなる3層構造となっており、この中で痛みを感じるのは「真皮」にある神経です。
皮下注射・筋肉注射いずれも真皮を針で貫通させるため痛みが伴いますが、針の太さや刺入速度、刺入角度に差がない場合、針による物理的な皮膚の痛みには差はありません。
- マンジャロの投与を失敗した場合は?(途中で針を抜いてしまった、抜いたあと液体が漏れた)
- 投与できた量を確認することができないため、追加で投与はせずにその回はそのままとしてください。
次回のあらかじめ定めた曜日から通常通り投与するようにします。