マンジャロは2023年4月18日に日本で発売開始となった糖尿病治療薬です。
マンジャロの有効成分であるチルゼパチドは小腸上部のK細胞から分泌されるインクレチンのグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)と小腸下部のL細胞から分泌されるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の双方の作用を持ち合わせています。
マンジャロはGLP-1受容体とGIP 受容体それぞれに作用することから、リベルサスといったGLP-1受容体作動薬よりもHbA1cと体重の改善効果が高いとされており、この効果の高さから肥満の人が多い欧米をはじめ、日本人を対象とした臨床研究でも高い体重減少効果が報告されています。
今回はそんなマンジャロでよくある質問をまとめてみました。
マンジャロについてよくある質問
- マンジャロの捨て方・廃棄方法は?
- マンジャロは「アテオス」と呼ばれる使い捨てキットに入っており、使用後に注射針を格納する安全設計になっています。 そのため日本糖尿病協会作成の廃棄物適正処理啓発パンフレットには「しっかりフタのできる固い容器(牛乳パックや薬の空容器など)に入れ、さらにゴミ袋に入れて廃棄すること」が記載されています。
- マンジャロは打つ場所によって効果は変わりますか?
- 打つ場所によって吸収速度が変わる可能性があります。
SNS等で「打つ場所によって効果が変わった」「体重減少が停滞していたが打つ場所変えたら効果が出た」という内容が見られますが、部位によって脂肪量が異なることから吸収速度が変わり、一時的な効果で効果が強く出ている可能性はありますが、その分効果作用時間が短くなっている可能性が高いと考えられます。
なお製薬メーカーでは「お腹 / 太もも」が推奨されています(おへそ周り5cmは避ける)
- マンジャロを2本まとめて打っても良いですか?
- マンジャロ5mgを使用するようになり、2.5mgが2本余っているため5mg1回分を2.5mgの2本で代用して良いかの相談がありますが、こちらは結論「NG」です。
(薬物動態試験において2本合わせて打ったときの有効性や副作用が確認されていないため)
- マンジャロを打ち忘れてしまったときは?
- 次回の投与日までの期間が3日間以上である場合は、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与します。
次回投与までの期間が3日間未満の場合は追加で投与しないで次のあらかじめ定めた曜日に投与すること。
(例)
▼1/1に投与→次の予定日は「1/8」であったが投与を忘れたとき:
・1/10に気付いた場合:次の投与日(1/15)まで3日以上あるため1/10に投与、その次は予定していた1/15に投与
・1/13に気づいた場合:次の投与日(1/15)まで3日未満であるためそのままスキップし、次の予定していた1/15に投与
- マンジャロは食前・食後・朝昼晩によって効果は変わりますか?
- マンジャロの投与は週に1回、朝昼晩、いつでも投与でき、同じ日であれば、いつ投与しても効果に差はありません。また食事の時間も合わせる必要もありません。
- マンジャロは冷蔵庫に入れなくてはいけませんか?
- マンジャロは冷蔵庫(2~8℃)に保管が必要です。冷凍庫に入れた場合、成分が変性し薬の効果が低下する恐れがあるほか、凍結により注入器が破損する可能性があります。
冷蔵庫が使用できない場合、室温(30℃以下)3週間(21日間)まで保管できます。
- マンジャロは常温に戻したあと、再度冷蔵庫に入れても良いですか?
- はい、問題ありません。常温で3週間(21日間)は「合計で常温で保管した時間の合計」になります。
そのため例えばある日3時間だけ常温で保管、別日にまた3時間常温で保管した場合、累計の常温保存時間は「6時間」となり、この時間の合計が3週間を超えなければ問題ありません。
- マンジャロは注射前に常温に戻す必要はありますか?
- 冷蔵庫から出してすぐ使って問題なく、常温に戻す必要もありません。
- マンジャロの薬液の中に空気が入っていますが抜く必要はありますか?
- 抜く必要はありません。
気泡の大きさに関わらず、一定量の薬液が充填されているため1回の投与で全量が入る設計となっています。