白玉点滴やシンデレラ点滴の主成分として使われることがある「グルタチオン」。
「美肌」や「二日酔い対策」などのキーワードで聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?
グルタチオンは体内でも生成されており、肝臓やほかの細胞で作られる3つのアミノ酸からなるトリペプタイドです。
サビ取り(抗酸化)に働くため、アンチエイジング(老化防止)効果や放射線障害の治療としても使われています。
今回は「グルタチオン」とはどのような成分なのか、また「グルタチオン」による美容・美肌効果や二日酔い対策のメカニズム、そして副作用について医師監修にて徹底解説します。
目次
グルタチオンはタンパク質の構成要素である「システイン」「グルタミン酸」「グリシン」という3つのアミノ酸からできた化合物です。
グルタチオンの成分自体は人間の体内にすでに存在している一方、加齢や紫外線の影響によって減少していく特徴があります。
グルタチオンは抗酸化物質であることから減少すると体やお肌の老化現象が進行し、疲労感が増したり代謝力や肝機能の低下といった症状の原因となります。
また年齢に限らず、肝臓に負担をかけやすい「お酒を飲む習慣がある方」「喫煙者の方」はグルタチオンが不足しやすい傾向にあり注意が必要です。
グルタチオンの主な効果は下記の4つです。
グルタチオンは、お肌のシミに関わるメラニン生成を抑制することで、新しいシミの発生を予防します。
アルコールの取り過ぎによって発生した脂肪肝の改善効果があります。
体内の毒素をグルタチオン抱合によって中和、解毒し身体の外へ排泄させます。
「体が酸化するってどんなイメージだろう…?」
と思われた方は、まずは抗酸化を理解するために「酸化」について簡単に解説をしていきます。
酸化とは金属が空気に触れてサビてしまうように体も酸化によってさびついてしまうようなイメージです。
このサビに関わってくる物質が「活性酸素」で、活性酸素は体内に取り込まれた酸素のうち、物質を酸化させる力が強くなった(活性化された)酸素のことを指します。
人間は本来、体内で活性酸素が増えすぎてしまわないように、防御する機能が備わっています。
しかし太陽からの「紫外線」や「タバコの喫煙」「ストレス」「大気汚染」「飲酒」「偏った食事」などにより活性酸素が過剰に生み出されるようになり、結果カラダの老化を加速させてしまう活性酸素が多く生まれてしまい、がんや生活習慣病、糖尿病、肺炎などの病気の原因となる場合があります。
これを防ぐ作用が「抗酸化作用」であり、抗酸化作用は一言で言うと「活性酸素に対抗する働き」を指します。
グルタチオンの抗酸化作用は強く別名「抗酸化物質の王様」とも呼ばれています。
体内、とくに肝臓で自然に作られるだけでなく、食事やサプリメントを通じても接種することができ、グルタチオンを内服することで身体を酸化から守るほかアルコールや薬物などの有害物質を無外物質に変え排出する「解毒作用」が期待できます。
治療の側面ではグルタチオンは下記の治療に使われています。
・パーキンソン病
・抗がん剤による神経障害
・多発性硬化症
・線維筋痛症
・気管支喘息アレルギー
・慢性肝疾患
・閉塞性動脈硬化症
タチオンとグルタチオンの違いはほとんどありません。
厳密には「成分名」がタチオン、その主要成分が「グルタチオン」となります。
医薬品名でも「タチオン」と「グルタチオン」があります。長生堂製薬の「タチオン錠50mg」「タチオン錠100mg」が先発品で、鶴原製薬の「グルタチオン錠100mg」などがジェネリック医薬品(後発品)となります。
昨今、グルタチオン・タチオンの処方希望が多い一方、需要が高まり過ぎてしまい製薬メーカーにて製薬が追いつかない「出荷調整」「限定出荷」がタチオン・グルタチオンで起きています。
そのため多くのクリニックがタチオン・グルタチオンの「入荷待ち」となっており処方できない状況となっています。
グルタチオンは日本では医薬品の成分として扱われているためクリニックで処方してもらうことができます。
一方で薬局やドラッグストアでは販売されておらず、インターネットでサプリとして購入する場合は、海外から個人輸入で購入する必要があります。
錠数やmg数によって値段は異なりますが、1か月分1,500円~3,000円で処方しているクリニックが多く、別途診察料やオンライン診療の場合、送料がかかる場合がありますので受診前にチェックしましょう。
マーチクリニックでは美容内服セットやニキビ内服セットを処方しています。
オンライン診療にも対応しています。