目次
アフターピル(緊急避妊ピル)とは、
「避妊に失敗したかも…」
「避妊せずにパートナーと性行為があった」
ときなどに72時間以内に緊急的に用いる避妊薬です。
次回の生理まで「妊娠してないかな…」と不安を抱えたまま一人で待つことはとてもツライことです。
アフターピルは行為があってから内服するまでの時間が妊娠を防ぐ確率に大きく関わってくることから一人で悩まずにまずはパートナーや医師に相談することが大切です。
通常、1回の射精で約1億匹の精子が出て、その中でたった1匹の精子と卵子が受精し、子宮に着床することで妊娠が成立します。射精~着床までは約5日を要し、妊娠する可能性が高い期間としては排卵日の6日前から排卵日の1日後と言われています。
その間に避妊なしで性行為があった場合、妊娠する確率は29歳以下の女性で約30~50%と言われています。
そして26歳をピークに妊娠する確率は徐々に下がっていきます。
この確率を高いと捉えるか低いと捉えるかはケースバイ・ケースになりますが、あくまでも確率論のため望まない妊娠の可能性がある場合は、着床するまでの5日間が大切な期間となります。
アフターピルはどんなときに内服が必要になるのでしょうか?
「コンドームなしでも最後までしなければ大丈夫」という認識は誤りです。
・避妊をしないで性行為があった
・行為中にコンドームが破れてしまった・外れてしまった
・低用量ピルを正しく内服しておらず、避妊なしで性行為があった
・低用量ピルを内服していたが、内服直後に激しい下痢や嘔吐があった
・腟外射精であった(正しくない避妊方法)
嘔吐の回数や量にもよるため一概には言えませんが、服用後3時間以内に激しい嘔吐・下痢があった場合はピルの有効成分が吸収されていない可能性があり、再度ピルを内服することを検討する必要があります。
また24時間以上の嘔吐または下痢が続いている場合も有効成分が吸収されない可能性があることから、休薬を検討します。
よく「アフターピルをマツモトキヨシやスギ薬局でこっそり購入できないか?」という相談があります。
結論、一定の条件を満たせば購入することができ、現在より女性がアクセスしやすいよう試験的に販売が行われていますが親の同意が必要などの諸条件があります。
- 薬局がアフターピルを取り扱っている・在庫がある
- 研究への参加に同意できる
- 16歳以上の女性である
- 日本語で意思疎通ができる
- 服用する本人からの相談である
- 未成年の方は保護者の同意・同伴が必要
中学生や高校生の未成年でもアフターピルの購入は可能です。
保護者同席や保護者の同意が必要、としてしまうと受診をためらってしまい、結果望まない妊娠をしてしまうというケースを防ぐという観点から多くのクリニック未成年OKとしています。
ただ全部のクリニックが未成年OKということではなく、未成年へは処方してくれない医療機関や保護者の同伴や同意書や身分証の提示を条件としている医療機関もあることからアフターピルが必要な場合は、事前に条件を調べてから受診することが大切です。
親に相談できたり、親の同意をもらえる場合は親に相談することが第一です。
一方、さまざまな理由で「親には絶対に言えない」「親にバレたくない」という方も少なからずいます。
その際にとれる選択肢は下記の2つになります。
- 親の同席や同意が不要のクリニックを受診する
- 親の同意不要の「オンライン診療」で処方してもらう
オンライン診療の場合、多くが外装から分からないようにポスト投函で届くため、開けない限り中が分からないように配慮されています。
ただクリニックですぐ受け取れるとは違い郵送のため、基本到着が翌日以降になる点のみ注意が必要です。
現在オンライン診療以外に、厚生労働省の「緊急避妊に係る取組について」のページや、一般社団法人日本家族計画協会 の「緊急避妊薬・低用量ピル 処方施設検索システム」からも最寄りのクリニックが検索できます。
すぐ受け取れる安心感があるため、もし最寄りで空いているクリニックがある場合はオンライン診療を使う前にも一度探してみるようにしましょう。
【医師監修】アフターピルの正しい内服方法は? 【医師監修】アフターピルの種類やその効果は? 【医師監修】モーニングアフターピル(緊急避妊薬)とは?種類や効果を解説