美容医療や内服薬などで健康的に体重コントロールする方法が昨今「医療ダイエット」や「メディカルダイエット」と呼ばれており、美容医療では脂肪冷却や脂肪吸引、内服では食欲を抑えたり、脂肪の吸収や分解を促進したり、代謝を高めたりする効果によってダイエット効果が期待できます。
特に内服薬については食事制限が苦手な人や、食べる量をコントロールできない人におすすめで、食事の量や内容を気にせずにダイエットができるので、ストレスが少なく、続けやすいというメリットがあります。
今回はその内服薬の中で「ルセフィ」というお薬についてその特徴や効果・痩せるメカニズム、そして副作用や注意点について詳しく解説していきます。
ルセフィの主成分はルセオグリフロジン水和物で、主に2型糖尿病の治療薬として使われるお薬で「SGLT2阻害薬」として分類されます。
ルセフィは体内で使われず余ってしまった糖分を尿と一緒に対外へ排出させる働きがあり、実質的糖分の吸収を抑制させることから最近ではダイエット薬として注目を集めており、ルセフィ錠には「2.5mg」と「5mg」の2種類の用量があります。
SGLT2(エス・ジー・エル・ティー・ツー)阻害薬という用語をはじめて聞いた方はも多いかと思います。
糖尿病の治療薬にはさまざまな種類があり、主な作用メカニズムは下記の通りです。
SGLT2阻害薬 | 腎臓での糖の再吸収を抑え尿中へのブドウ糖排泄促進 |
α-グルコシダーゼ阻害薬 | 炭水化物の吸収を遅らせる 食後の高血糖の改善 |
DPP-4阻害剤 | 血糖依存性のインスリンの分泌促進 グルカゴン分泌抑制 |
グリニド薬 | インスリンの分泌促進 |
ビグアナイド薬 | 肝臓での糖新生の抑制 |
チアゾリジン薬 | 骨格筋・肝臓でのインスリン感受性の改善 |
スルホニル尿素(SU)薬 | インスリン分泌の促進 |
一概に糖尿病と言っても原因は様々で、
・血糖値を下げる「インスリン」が正しく分泌されない
・インスリンが分泌されるけれども感受性が悪い
など原因に合わせて医師の指導のもと正しいお薬を選択する必要があります。
この中でSGLT2阻害剤は「腎臓での糖の再吸収を抑え尿中へのブドウ糖排泄促進」する効果により余分な糖を尿と一緒に身体から出すことで血糖値を下げる効果のあるお薬になります。
SGLT2阻害剤にはルセフィ以外にフォシーガという薬もあり、同じくダイエット目的に使われることがあります。
ルセフィとフォシーガの違いは下記の通りです。
ルセフィ | フォシーガ | |
主成分 | ルセオグリフロジン水和物 | ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物 |
保険診療での適応症 | 2型糖尿病 | 1型・2型糖尿病 慢性心不全 慢性腎不全 |
用量 | 2.5mg / 5mg | 5mg / 10mg |
販売開始月 | 2014年5月 | 2014年5月 |
ルセフィ錠2.5mg/ルセフィ錠5mg / フォシーガ錠5mg/フォシーガ錠10mg
SGLT2阻害薬のお薬である「ルセフィ」や「フォシーガ」はいずれも体内に余った糖分を尿から体外へ排出させる働きがあります。糖質制限ダイエットと似た効果が得られ、余った糖が体脂肪として蓄積されるのを防ぎつつ、体重減少効果を発揮します。
SGLT2阻害薬のルセフィやフォシーガを飲むだけで安心安全にすぐ痩せる!という認識は誤りです。
SGLT2阻害薬は前述通り、尿の糖が増加させることから細菌増殖の原因になる可能性があり、副作用の一つに「尿路感染性器感染」があります。
また「多尿・頻尿」「脱水(体液量減少)」「ケトアシドーシス」「低血糖」の副作用の報告があり、口渇、多尿、頻尿、血圧低下などの症状があらわれ、脱水が疑われる場合は休薬や水分補給を行い、なおも症状が改善しない場合は医療機関を受診するようにしてください。
- 重症ケトーシス
- 糖尿病性昏睡または前昏睡の患者重症感染症
- 手術前後、重篤な外傷のある方
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方
- 妊婦または妊娠している可能性のある方
- 1型糖尿病患者重度の腎機能障害のある方
- 透析中の末期腎不全患者
体重を健康的に落とすことや健康的に減量をしながら体重管理・維持するのは簡単なことではありません。
ルセフィはダイエット薬として注目されている一方、服用禁忌があるため医師の指示に従った服用が必要で必ず医療機関の受診が必要になります。
また内服薬のみに頼らず、食生活や運動習慣も併用することでより短期間で健康的なダイエットに繋がります。