アフターピル(緊急避妊薬)は避妊に失敗してしまった、ピルを飲み忘れた、といった時、緊急的に服用することで性行為後でも緊急で避妊できるお薬です。
今回はそのアフターピルについて詳しく解説していきます。
日本国内で承認されているアフターピルのノルレボ(レボノルゲストレル)は、性行為の24時間以内の服用で約95%ほの避妊効果があるとされています。
排卵前に内服することで排卵を遅らせたり、排卵を抑制させることで妊娠を防ぎ、排卵後であっても子宮内膜への着床を阻害することで妊娠を防ぎます。
この他、精子の侵入阻害や受精阻害、卵子の輸送阻害などによる避妊効果もあるとされています。
アフターピルは、失敗してしまってからできるだけ早く服用することが効果的です。
また服用後には避妊効果は持続しないため避妊の成功が確認できるまで、効果的な避妊方法、または性行為を避けることが望ましいです。
| レボノルゲストレル法 | ヤッペ法 | ウリプリスタール法 |
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服用方法 | 処方後すぐに1錠 (72時間以内) | 処方後すぐに2錠 12時間後に2錠 | 処方後すぐに1錠 (120時間以内) |
メリット | 服用回数が1回で済む 効果が高い 副作用が少ない | 費用が安い | 有効な時間が長い 副作用が少ない |
デメリット | | 副作用が出やすい | 値段が高い |
薬剤名 | レボノルゲストレル | プラノバール | エラ |
レボノルゲストレル法・ヤッペ法の場合
72時間以内に内服することで97~98%で妊娠を防ぐことができますが、72時間を過ぎてしまっても120時間以内であれば効果はあります。服用までの時間と妊娠阻止率は、24時間以内(95%)、48時間以内(85%)、72時間以内(58%)と、服用時間が早ければ早いほど効果が高いことがわかっています。
ウリプリスタール法の場合
他の方法と同じく72時間以内に服用した場合97~98%で妊娠を防ぐことができます。こちらも早ければ早いほど効果があります。
エラの場合、72時間を過ぎてしまっても120時間以内であれば85%の確率で妊娠を防ぐことができ、他の方法より確率が高くなります。また、子宮筋腫の治療薬としても使用されています。
価格は医療機関やアフターピルの種類によって異なります。6,000円~20,000円ほどが多く、相場は15,000円程度になっている印象です。
「ヤッペ法」と「レボノルゲストレル法」では、ヤッペ法のアフターピルの方が安く購入できますが、より副作用を抑えられて、かつ避妊率を高めたい場合はレボノルゲストレル法がおすすめです。
アフターピルは保険が適用されず、料金は全額自己負担(自費診療)です。
薬を内服後、早ければ3~4日で消退出血がみられ、遅くとも3週間以内には出血があります。
この消退出血は2〜3日程度続き、これが避妊できたサインになります。
予定通りの月経が来ても、その出血が妊娠初期の不正出血である可能性は否定できません。
次の生理が来るまでは、別の避妊法を併用することが必要で、予定された生理よりも出血が1週間以上遅れる場合は産婦人科を受診するようにしてください。
アフターピルの副作用には下記のものがあります。
- 出血
- 嘔気、嘔吐
- 眠気
- 下痢
- 頭痛、めまい
通常は24時間程度で治まります。
この中でも注意が必要なのが吐き気です。吐き気によって薬自体を嘔吐をしてしまうと、薬の成分も一緒に吐いてしまい避妊効果が十分得られない可能性があります。
もし服用から2時間以内に吐いてしまった場合は、同量のピルを再度服用することが必要になるため、すぐに処方してもらった医療機関に相談するようにしましょう。また口の中で噛み砕いたり溶かしたりせずそのまま内服することが大切です。
服用前・服用後の飲酒については、少なくとも服用する日はアルコールを控えることが望ましいです。飲酒をされた場合、副作用が出現しやすくなるだけではなく、アルコールによって嘔気が出てしまったり、嘔吐によって薬の効果が低下してしまう可能性があるため、アフターピル服用した日や服用後24時間は飲酒は控えておくことが無難です。
急いでいる場合は産婦人科を受診することが一番確実です。
ただ土日祝でクリニックが開いていなかったり、デリケートな問題にためらう方もいると思います。
ただ避妊に失敗してしまったにも関わらずアフターピルを内服せず、次回の生理がくるまで不安な日々を過ごすよりも相談できる友人やパートナーに相談したり、オンライン診療で医師に相談し一人で悩まないようにしましょう。