避妊に失敗した際にやむを得ず緊急的に避妊を行うためのアフターピル。
性行為から数日以内に飲めば高い避妊効果が得られると言われており、避妊の最終手段のような選択肢と考えられています。
アフターピルを用意できれば、普段からの避妊に使う低用量ピルは飲まなくても避妊は確実にできるのでしょうか?
目次

レボノルゲストレル
価格:8,000~10,000円前後
日本で承認されているアフターピル。
レボノルゲストレルは排卵抑制と受精卵の着床阻止の作用があり、妊娠しにくい環境を作ることで避妊効果が期待できるお薬。
避妊を失敗したタイミングから72時間以内の服用で避妊効果があり、72時間を過ぎている場合は、服用しないよりは服用した方が良いが避妊効果はぐっと低下する。

エラ(ella)
価格:12,000~13,000円前後
FDA(アメリカ食品医薬品局)に認可されているが国内では未承認。
レボノルゲストレルとの違いとして避妊に失敗してから120時間以内の服用で避妊効果が期待できるほか、BMI30以上の方でも避妊効果があるとされている。
行為後から時間が経っている方や配送までに時間がかかる方向け。
アフターピルとは避妊に失敗してしまった可能性があるときに緊急的に服用することで性行為後でも緊急で避妊するためのお薬です。
アフターピルで避妊する場合には、性行為からの時間がとても大切で、できるだけ早く服用することで妊娠阻止率が上がり、種類によるものの72時間~120時間以内の服用が有効とされています。
それ以降に服用すると、避妊が期待できないというわけではありませんが、成功する確率がぐっと下がります。
低用量ピルは突然のタイミングで飲むのではなく、毎日同じタイミングで飲むことになります。
種類によっては月21錠タイプと28錠タイプがありますが、28錠タイプの場合22錠目~28錠目はプラセボ錠で薬の成分は入っていないカラのお薬で毎日飲む習慣をつけることで飲み忘れを防止できます。
低用量ピルは、飲み忘れや飲む時間のずれなく、毎日正しく決まった時間に服用するという条件がありますが、それによって普段から避妊に備えられるといったメリットがあります。
また生理痛や生理不順、月経前症候群(PMS)などの緩和にも役立つため、体調や健康管理のために飲む女性も多いです。
アフターピルはあくまでも緊急的な手段として選ぶべきものであり、確実に避妊を望む場合は低用量ピルが適していると言えます。
万一、緊急でアフターピルが必要となった場合でも土日祝医療機関がお休みであったり医師の問診・診察・処方を受ける必要があるため手元に届くまでには一定の時間がかかります。
避妊を成功させるためには、できるだけ早い内服が望ましく、スピードが求められることからできる限り早い段階で近くの産婦人科を受診したり、オンライン診療で診察を受けることをおすすめします。

アフターピルは内服後も嘔気や嘔吐など一定の副作用があり、身体にも負担のかかるお薬です。
「アフターピルさえ飲んでおけば避妊ができる」と安易に考えず、その他の避妊方法や低用量ピルでパートナーのためにも普段からしっかり対策をしておくことが大切です。
低用量ピルを正しく内服している場合の避妊率は99.7%と言われており、避妊には有用は方法です。
一方で低用量ピルを内服していてもアフターピルを併用した方が良いケースもあります。
- ピルの効果を弱める薬(漢方)やサプリを内服していた
- 低用量ピルを服用中1~7日目に3錠以上の飲み忘れがあった
- 低用量ピルで新しいシートに移行する際に3日以上の飲み忘れがあった
これらの期間に性行為で避妊に失敗した可能性がある場合は、アフターピルの内服を検討されることをおすすめします。
一部ネット情報などで「低用量ピルはアフターピルの代わりになり得ることがある」と書かれるケースが多いですが、実際にそれは不可能で、低用量ピルをアフターピルの代わりに使うことはリスクが高くおすすめできません。
確実に避妊ができているかが最も大切であるため、時間やお金を惜しんだばかりに望まない妊娠をしてしまっては本末転倒の結果となることから、避妊を第一優先として責任のある行動をしていきましょう。