医療脱毛には大きく分けて熱破壊式と蓄熱式の2種類があります。
ただ実際に医療脱毛クリニックを決める際の選び方やメリット・デメリットで迷われる人はきっと多いはず。
今回は医療脱毛での熱破壊式・蓄熱式それぞれの特徴や当て方の違いについてご紹介します。
「熱破壊式」と「蓄熱式」の2種類
熱破壊式は高出力レーザーを1発ずつ照射し、毛根(毛乳頭・毛母細胞)を破壊する照射方法です。
黒い色素を持つメラニンに強く反応することから、濃く太い毛や頑固な毛に高い効果を発揮します。
熱破壊式のメリット
- 濃く太い毛・頑固な毛に高い効果を発揮
- 今生えている毛にも反応するため即効性が高い
(早いと照射当日~翌日に抜ける) - 効果がわかりやすい
(照射から1~2週間後にポロポロ抜けていく)
熱破壊式のデメリット
- 産毛脱毛は苦手
- 色黒肌・日焼け肌、ホクロやシミがある部分には照射できないことがある(メラニンに反応する特性上)
- 蓄熱式と比べると痛みが強い
(皮膚が薄く、太くて濃い毛が密集しているヒゲ、ワキ、VIO) - 施術時間が長い(全身脱毛の場合、約2時間30分)
蓄熱式とは低出力レーザーを連続的に照射し、じわじわと熱を溜めこんで毛根細胞に栄養を送る「バルジ領域」を破壊する照射方法です。
低出力であるため肌に優しく、蓄熱するのでメラニンの薄い毛や産毛にも十分な熱を伝えられる特徴があります。
蓄熱式のメリット
- 痛みが少ない(ほんのり温かい)
- 産毛・細毛にも高い効果を発揮する
- 色黒肌・日焼け肌・アトピー肌・敏感肌の脱毛が可能
- 施術時間が短い
蓄熱式のデメリット
- 熱破壊式より効果が出るのがゆっくり(2週間〜4週間)
- 次に生える毛が細く薄くなっていく方法のため、目に見えて効果を実感しにくい
- 剛毛への効果は熱破壊式に比べて劣る
- 施術者によってムラが出やすい
さて、熱破壊式と蓄熱式の違いについて説明してきましたが、レーザーの波長の種類によっても、得意・不得意な毛質があるので、目的に合うものを選びましょう。
医療脱毛のレーザーにはアレキサンドライトレーザー、ダイオードレーザー、ヤグレーザーの3種類があり、この3つの違いは「波長」になります。
波長が短いほど、メラニンに吸収されやすくで表皮付近で吸収されやすくなり、反対に波長が長いほど、皮膚の奥までレーザーが届きます。
・アレキサンドライトレーザー:755nm
・ダイオードレーザー:808nm
・ヤグレーザー:1064nm
メラニンの吸収:短波長>中波長>長波長
皮膚へのレーザーの届きやすさ:短波長<中波長<長波長
アレキサンドライトレーザー
● 3つのなかで一番波長が短い「755nm」
● 濃い太い毛と相性が良い(特にワキやVIO、ヒゲ)
● 日焼けや色素の濃い肌だとやけどの恐れもある
アレキサンドライトレーザーの波長は、メラニン色素に反応しやすい特性があり、濃い太い毛と相性は良いですが、産毛や細い毛には反応が弱く効果を上げるためには出力をUPしていく必要があります。やけどのリスクが高く、日焼け肌や色味が強い肌には不向きと言えます。
ダイオードレーザー
● 中波長「800~940nm」、オールマイティーな毛質・肌質◎
● 薄い毛や産毛に効果あり
● 日焼け肌でも照射できることがある
● 蓄熱式と熱破壊式の2種類が存在する(脱毛方式によって特徴異なるため⚠︎)
ダイオードレーザーの波長は、オールマイティーな毛質・肌質に対応できるため、産毛や薄い毛にも効果的です。日焼け肌や色素の濃い肌にも照射ができる可能性があります。
ヤグレーザー
● 長波長「1064nm」
● 根が深い毛でも脱毛OK(VIOなど)
● 日焼け肌やシミ・ホクロなどにも照射できる
● 痛みが強い
●他のレーザーと併用されることが多い
ヤグレーザーの波長は、肌の深部までレーザーが行き届くため、太い毛が密度濃く生えている毛根までレーザーでしっかりとダメージを与えられますが、痛みを強く感じやすいのが難点です。
ただ他の2つのレーザーと比べてメラニンの吸収率が低いため、ヤグレーザーは日焼け肌、シミやほくろ、色の濃い部分にも照射可能で、表皮のやけどを避けられます。
熱破壊式も蓄熱式も、最終的なゴール(永久脱毛)の違いはほとんどないことから、自分の好みに合わせて選択しましょう。
VIOや男性のヒゲなど毛の濃い部位には熱破壊式、背中や腕などの毛が比較的毛量が少なく、範囲が広い部位は蓄熱式という形で使い分けるのも良いかもしれません。
クリニックによっては笑気麻酔や表面麻酔などをつけることができ、照射時の痛みを緩和させることができますが、麻酔は別料金であることが多いため契約前にしっかりチェックしましょう。
監修医師:尾崎 功治 先生
2014年北京大学医学部卒業後、中国医師免許取得。17年日本へ帰国後、日本医師免許を取得し、都内大学病院総合診療科・国際診療部に従事後、現マーチクリニック院長。