昨今「肥満薬」として注目されている「GLP-1受容体作動薬」ですが、1週間に1回タイプの注射薬はいくつか種類があります。
代表的なものでセマグルチドが主成分の「オゼンピック」「ウゴービ」、デュラグルチドが主成分の「トルリシティ」、そして一番有名なチルゼパチドを主成分とした「マンジャロ」です。
いずれも血糖が上がりすぎることを防ぐことに加えてインスリン分泌促進、食欲抑制による体重減少などの効果があり、糖尿病治療や肥満治療に用いられています。
今回はその中でも「ウゴービ」について紹介をします。
ウゴービとは?
「ウゴービ」は2024年2月22日に保険適用になった抗肥満薬(GLP-1受容体作用薬)です。
従来、糖尿病治療薬として知られる「オゼンピック」や「リベルサス」と成分が同じである一方、肥満症として承認されていることから肥満治療の新しい選択肢として注目されています。
ウゴービの効果・作用機序(メカニズム)
ウゴービの有効成分であるセマグルチドには大きく分けて下記の3つの効果があります。
- 食欲抑制
脳の満腹中枢に働きかけることで食欲を抑える効果 - 胃の運動を遅らせる
胃の内容物の排泄を遅らせることで、食後の満腹感が持続し食べ過ぎや間食を防ぐ効果 - 血糖値のコントロール
食後の急激な血糖の上昇を抑え、食後の血糖値を安定させることで脂肪を溜め込みにくい体質へと変化させる効果
昨今、ウゴービが人気の理由とは?
ウゴービには「1回・1本使い切り」のタイプと「1ヶ月で1本」の2種類があります。
略称で「ウゴービSD(=1回1本使い切り)」「ウゴービMD(=1ヶ月1本・計4回分入)」とも呼ばれています。

ちなみにSDはSingle Dose(1回投与)の頭文字で、MDはMultiple Dose(複数回投与)の頭文字からきています。
今世間で人気のマンジャロは「1回1本の追加切り」のため、1ヶ月分では4本必要で冷蔵庫内の保管スペースを取ってしまったり、持ち運びしにくいというデメリットがありました。
一方、ウゴービMDの場合は1本の中に4回分の薬液が入っているため1ヶ月1本で足り、持ち運びや保管が便利な特徴があり、冷蔵庫が小さい方やよく出張に行く方などには使いやすい薬剤となっています。


ウゴービとオゼンピックの違いは?
結論、ウゴービとオゼンピックは成分は全く同じで「治療する病気(適応症)」が異なる点になります。
具体的には「オゼンピック」は2型糖尿病の治療薬として国内で承認されていることに対して、ウゴービは肥満症に対して承認されています。

この点は「マンジャロ」と「ゼップバウンド」と同じ関係で、マンジャロは2型糖尿病で国内で承認されていることに対しては、ゼップバウンドは肥満症に適応となっている一方、この2つ成分は同一です。

「ということは肥満体型な私はウゴービを保険診療で処方してもらえれば一番安くダイエットできるのでは!?」
そう思った方はとても鋭い方です。
確かに保険診療でウゴービを使うことができれば実質3割負担のため、自費診療と比べてお財布へのダメージは少ないのは事実です。
ただ肥満治療としてウゴービを使用できる人の条件・ハードルは非常に高く、
①2型糖尿病、高血圧、脂質異常症のいずれかを有する肥満症
②食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない状態
③BMIが35kg/m²以上、またはBMIが27kg/m²以上で肥満に関連する健康障害(高血圧症や脂質異常症等)が2つ以上ある場合
に限られます。

【参照】ノボノルディスク ウゴービ®皮下注の投与対象となる患者さんとは より
ウゴービとマンジャロの違いは?
ではマンジャロとウゴービの違いはどうでしょうか?
| マンジャロ | ウゴービ | |
| 有効成分 | チルゼパチド | セマグルチド |
| メカニズム | GLP-1/GIPそれぞれに作用 | GLP-1に作用 |
| 減量効果 | 約20% | 約15% |
| 血糖値への影響 | 強い | 中程度 |
| 適応症 | 2型糖尿病 | 肥満症 |
| 保険適用 | 2型糖尿病のみで適用 | 一定のBMIや健康障害で適用 |
| その他 | 認知度が高い | 正常なBMIに対しても臨床データがある |
| 1本あたりの薬価(税込) | |
| マンジャロ2.5mg | 1,924円 |
| マンジャロ5mg | 3,848円 |
| マンジャロ7.5mg | 5,772円 |
| マンジャロ10mg | 7,696円 |
| マンジャロ12.5mg | 9,620円 |
| マンジャロ12.5mg | 11,544円 |
| 1本あたりの薬価(税込) ※1本=4回分 | 1回あたりに換算(税込) | |
| ウゴービMD 0.25mg | 6,525円 | 1,631円 |
| ウゴービMD 0.5mg | 11,477円 | 2,869円 |
| ウゴービMD 1.0mg | 20,703円 | 5,176円 |
| ウゴービMD 1.7mg | 32,853円 | 8,213円 |
| ウゴービMD 2.4mg | 44,485円 | 11,121円 |

「マンジャロ◯mgがウゴービ◯mgに相当」という具体的な換算表もないため、一概に価格の比較はできませんが、個人的には効果の差として「マンジャロ2.5mg < ウゴービ0.5mg < マンジャロ5mg」のような位置づけになります。
これを前提に1回(1週間分)あたりで比較してみるとウゴービの方が薬価が安いため、実際の販売金額でもウゴービの方が少し安く購入できるケースが多い一方、減量効果の臨床試験ではマンジャロの方がより大きな減量効果を示したと報告されています。
最後に
マンジャロやオゼンピック・ウゴービでは体重や血糖の変化以外にも、肥満体型が改善することで心血管イベント(狭心症や心筋梗塞など)や腎疾患のリスク低下効果も報告されている一方、BMIが高くない方が使用すると得られる効果よりもリスクの方が高まってしまう可能性があることから、現在のBMIや生活リズムから医師と正しい用量と目標体重を設定することが大切です。
マーチクリニックではリベルサス・マンジャロの処方しています。
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マンジャロ2.5mg4本で「19,800円」・5mgは「27,800円」が総額です。

