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ミニピルを選ぶと良いのはどんな人?

血栓リスクが少ないミニピル

ピルにはいろいろな種類がある中で、どんなピルを選んだら良いのか疑問に感じる方も多いと思います。

ミニピルは正しく服用すると、低用量ピルと同じくらい高い避妊効果が期待できる一方、日本では未認可のお薬です。

今回はミニピルって何?ミニピルの特徴とどんな人にオススメなお薬かを紹介します。

低用量ピルがダメな人でもミニピルならOK

ピルは排卵後に卵巣から分泌される黄体ホルモンを月経周期の初期より使用することで、身体を妊娠しているような状態にします。

現在日本で一般的に使用されている避妊薬は低用量ピルと呼ばれているもので、黄体ホルモンと卵胞ホルモンの混合されたお薬です。

黄体ホルモンのみで排卵を抑えるためには比較的多い量の内服が必要といわれており、また排卵を抑える作用を強めるために卵胞ホルモンが加えられています。

高い避妊効果がある低用量ピルですが、副作用としてエストロゲン(卵胞ホルモン)による血栓症などがあるため、これまでピルは下記の方には処方はできないとされています。


・肥満症の方
・高脂血症・高血圧症を薬でコントロールできない人
・肝機能・腎機能障害のある人
・子宮頸癌・乳がんのある人
・35歳以上で1日15本以上吸う喫煙者

そこで最近注目を集めているピルがミニピルです。

ミニピルの最大の特徴はエストロゲンを含まないプロゲステロンのみの単独ホルモン剤であるため栓症の心配がほとんどなく安全性が高いピルであることです。

ミニピル最大のメリット
血栓症のリスクがほとんどなく、これまでピルを内服できなかった喫煙者の方・授乳中の方、高BMI値(肥満症)の方、35歳以上の偏頭痛持ちの方でも内服可能

また、エストロゲンに関連する婦人科ガンの心配も少なくなると言えます。

こんな人にミニピルはおすすめ!

先ほども述べたようにミニピルは、これまで低用量ピルの適応とならなかった方も安全に服用することができる薬と言われています。

副作用が気になる人

低用量ピルや中用量ピルの副作用が気になる人に、ミニピルはおすすめです。
ミニピルはこれらの薬と比べて、副作用が起こりにくいピルです。

おざこう先生
おざこう先生

従来のピルでも、服用を継続していけば副作用は次第に収まっていきますが、副作用が心配な方はぜひ一度ミニピルを試してみるのもいいかもしれません。

肥満症の人

肥満症の方は足や骨盤にかかる負担が大きいため、血栓症のリスクが高まりやすいと言われています。

黄体ホルモン量が多いと、血栓症のリスクが上がるのは、多すぎる黄体ホルモン量が女性ホルモン(エストロゲン)へ変換させるためと考えられています

避妊目的で処方されるミニピルは、黄体ホルモン量が少ないため、低用量ピルと比較しても血栓症のリスクは低いと言われる点が、他のピルよりもミニピルをおすすめする一つの特徴です。 

喫煙者(タバコを吸う方)

タバコを吸い続けると、血栓症などの重篤な副作用を引き起こすリスクは高くなるといわれています。
ミニピルは血栓症のリスクを大幅に軽減できるからこそ、喫煙者でも内服可能です。

注意
喫煙や肥満は血栓症の重大なリスク要因となるため、ピルの内服有無に関わらず禁煙や生活習慣を見直すなど、健康増進のためにリスクを排除することも大切です

35歳以上の方

35歳以上の人でピルを使用したい場合は、ぜひミニピルを検討してみてください。
一般的に閉経後、または閉経前でも50歳を超えるとピルの服用ができません。
しかしミニピルであれば専門のクリニックで診察を受ければ内服は可能です。

授乳中の人

妊娠中や出産後は、血液の凝固機能が高まるため血栓症のリスクが高くなりますが、ミニピルは血栓症の発症リスクを大幅に軽減できるため内服可能です。

ミニピルを内服できない人

  1. 過去にデソゲストレルを含むピル(マーベロン・ファボワールなど)でアレルギー症状を起こしたことある人
  2. 乳糖不耐症、乳糖アレルギーのある人(セラゼッタには乳糖が含まれています)
  3. 血栓症の既往がある方
  4. 乳がんや子宮頸がんなどのがんの既往、重篤な肝機能障害の既往がある人
  5. 原因不明の性器出血がある方、異所性妊娠の既往がある人
  6. ポルフィリン症の方

最後に

先で述べたようにミニピルは日本国内ではまだ認可されておらず、処方している病院・クリニックは少ないのが実情です。一方、まったくゼロではありませんので、もし上記の理由でピルを諦めていた方は近医で処方しているクリニックがないか一度調べてみることをおすすめします。