糖尿病の飲み薬は大きく分けて下記の3種類に分類されます。
①インスリン抵抗性改善薬(インスリンが効きやすい体に変える)
②インスリン分泌促進薬(体内にあるインスリンを増産させる)
③糖の吸収を抑えたり、糖の排泄を促進する
昨今、ダイエットのお薬として注目されている「カナグル」「フォシーガ」「ルセフィ」「スーグラ」は、上記の分類では③の「糖の吸収を抑えるお薬」で、中でも「SGLT2阻害薬」に分類され、腎臓での糖分の再吸収を抑え糖分が体外に排出でていくことでカロリーカットになり体重減少効果が期待できることがダイエット・減量の主なメカニズムとなっています。

「同じ分類のお薬なのに、なぜいくつも種類があるの?」

「mg数や値段が違うのはどうして?」
今回は「SGLT2阻害薬」の「フォシーガ」「カナグル」「ルセフィ」「スーグラ」の違いや特徴について詳しくご紹介します。
目次
SGLT2阻害薬の読み方はそのまま「SGLT2(エス・ジー・エル・ティー・ツー)阻害薬」と読み、尿に糖を出すことで血糖を下げる飲み薬を指しています。
特徴として、この1つのお薬のみでは低血糖を起こしにくいという特徴があり、日本国内では2014年から使われるようになった比較的新しいお薬です。
通常、尿には体内で必要としない「不要な成分」が排出されますが、ブドウ糖などの有用な成分は腎臓内で再度吸収され血液に戻り、健康な人の場合は尿の中に糖が出ることはありません(これを再吸収と呼んでいます)

糖尿病の名前も「糖が尿から出る病気」ということで当初名付けられましたが、現在の医学において「糖尿病」という名称は病態を正しく反映していないこと、また「尿」というネガティブなイメージが病名に入ることから、2023年9月に日本糖尿病学会と日本糖尿病協会は新しい呼称として「ダイアベティス」を提案しています。

では「SGLT2」とは何でしょうか?
SGLTは「ナトリウム/グルコース共輸送体2(Sodium/GLucose co-Transporter 2)の略称でブドウ糖の取り込みで働いているタンパク質です。
SGLT2阻害薬は名前の通り「SGLT2の働きを抑えて腎臓でのブドウ糖が血液に戻らないようにしてブドウ糖を尿に排泄させるお薬」になります。
結果、1日あたり約400kcalのブドウ糖が尿中へ排出されるため、ダイエット効果が期待できるほか、糖とともに水分も排泄されるため尿の量が増える特徴があります。
フォシーガ

主成分:ダパグリフロジン
用法:1日1回(食事関係なし)
主な副作用:性器感染症(4.7%)、頻尿(3.8%)、口喝(2.2%)
・インスリン治療と併用できる
・心臓や腎臓の保護作用がある
・研究データが多くエビデンスが豊富
カナグル

主成分:カナグリフロジン
用法:1日1回(朝食時)
主な副作用:尿路感染症(3.2%)、頻尿(1.8%)、性器感染症(1.7%)
・腎臓の保護作用があり
・規格が100mgのみでお薬の調整がしにくい
ルセフィ

主成分:ルセオグリフロジン
用法:1日1回(朝食時)
主な副作用:頻尿(2.8%)、便秘(1.9%)、尿路感染症(1.4%)
・錠剤タイプ以外にシートタイプもあり持ち運びに便利
スーグラ

主成分:イプラグリフロジン
用法:1日1回(朝食後)
主な副作用:頻尿(8.2%)、口喝(4.2%)、便秘(3.2%)
・日本で開発された薬剤で日本人の身長・体重・体格が考慮されている
・25mg/50mgがあり用量を調整しやすい
| 薬剤名/副作用 | 尿路感染症 | 性器感染症 | 頻尿 | 便秘 | 口喝 |
| フォシーガ | 1.6% | 4.7% | 3.8% | 0.8% | 2.2% |
| カナグル | 3.2% | 1.7% | 1.8% | 1.3% | 0.7% |
| ルセフィ | 1.4% | 0.6% | 2.8% | 1.3% | 0.7% |
| スーグラ | 2.0% | 1.4% | 8.2% | 3.2% | 4.2% |
- SGLT2阻害薬に過敏症・アレルギーの既往のある方
- 心臓、腎臓、肝臓、膵臓に異常のある方
- 糖尿病既往や現在治療中の方
- 大きな外傷や手術を控えている方
- 妊婦、授乳中、または妊娠の可能性のある方
- 尿路感染症や性器感染症のある方
今回はSGLT2阻害薬であるフォシーガ・カナグル・ルセフィ・スーグラのそれぞれの特徴についてご紹介しました。
副作用の発生頻度のみを比較するとルセフィやカナグルが低い一方、価格が安いSGLT2阻害薬はカナグルといったようにどのお薬も一長一短になります。
自分にはどの薬が合っているのかを判断する参考になれば嬉しい一方、最終的には医師に相談の上、適切な薬を処方してもらうことが大切です。
今回ご紹介したフォシーガ・カナグル・ルセフィ・スーグラはいずれも体重減少効果が期待できることから普段の食事や運動療法に加えてダイエットのサポートとしてもオススメです。
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