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はじめてアフターピル(緊急避妊ピル)を使う方へ

アフターピルのレボノルゲストレル(ノルレボ)

アフターピルは別名「緊急避妊ピル」とも呼ばれており、避妊に失敗してしまった場合や避妊なしで成功をしてしまったときに緊急的に使用する避妊薬です。

内服が必要か迷う方も多いですが、「失敗してしまったかも…」というときに内服するお薬となっており、次回の生理がくるまで妊娠してないか毎日不安を抱えて過ごすことはつらいため、失敗した可能性がある場合はなるべく早い段階で医師に相談することをおすすめします。

アフターピルの内服が必要なケース
  • 避妊をしない性交があった
  • 避妊に失敗してしまった(コンドームが破れた・外れてしまった)
  • 低用量ピルの飲み忘れがあった
  • 低用量ピル内服後に激しい下痢や嘔吐があり、有効成分が十分に吸収できない可能性があった
  • 正しくない避妊方法(腟外射精など)

低用量ピルを飲んでいるが心配…

低用量ピルには様々なピルの種類がありますが、避妊目的で服用するピルはOCと呼ばれており、正しい内服方法で飲み忘れなければ避妊効果は99.7%といわれています(100%ではありません)

コンドームは正しい私用で約85%と言われており、低用量ピルにしてもコンドームにしても正しく使用できていれば妊娠する可能性はとても低いです。

一方で「コンドームを途中から付けた」「ピルの飲み忘れが数日あった」などの場合は確実に避妊できている可能性は低く、直前で性交渉があった場合はアフターピルの適用となると考えられます。

腟外射精も避妊方法には入らず、年間約20%、妊娠する可能性があると言われています。

ヤッペ法とレボノルゲストレル法の違いとは?

ヤッペ法はプラノバールという中用量ピルを用いて行う緊急避妊方法で1977年に発表されました。
一方、レボノルゲストレル法は名前の通り「レボノルゲストレル」という黄体ホルモンのみを内服する方法です。

いずれの方法も正しいタイミングで内服することで緊急避妊効果が期待できますが、内服方法や避妊効果・副作用・安全性と価格に差があります。

内服方法レボノルゲストレル法ヤッペ法
内服回数1回
(1回1錠のみ)
2回
(2錠内服し12時間後に再度2錠内服)
時間失敗してから72時間以内失敗してから72時間以内
非妊娠率※98.9%96.8%
妊娠阻止率※85%57%
値段7,000円~12,000円前後3,000円~7,000円前後
(※Lancet352:428-433,1998: WHO大規模多施設共同臨床試験)

非妊娠率:生理周期に関係なく内服をした場合に妊娠しなかった割合

妊娠阻止率:生理周期から妊娠の可能性がある時期に内服をし、妊娠しなかった割合

72時間以内に内服できない場合は?

アフターピルは原則失敗してから72時間以内に内服する必要あり、その場合でも妊娠阻止率は約85%です。

ただ72時間を超えると全く効果がなくなるということではありませんが、ヤッペ法・レボノルゲストレル法いずれも72時間以上経過した場合のデータはなく、時間が経過すると妊娠阻止率は大幅に低くなります。

  • ・遠方で薬を受け取れない
  • ・近く空いているクリニックがない
  • ・悩んでいる間に時間が過ぎてしまった

などで72時間以内に内服が難しい場合、120時間以内まで避妊効果が期待できるアフターピル「エラ」があります。
一方エラは国内承認薬はないため海外製のものになります。

エラの成分であるウリプリスタール酢酸エステルは「選択的プロゲステロン受容体調節剤」と呼ばれる、子宮内の環境を大きく変える成分で、120時間以内と時間が長いメリットに加えて、肥満体型の方(BMI 30以上)でも内服が可能ですが値段が高い(12,000~15,000円前後)というデメリットがあります。

よくある間違い・質問

「避妊に失敗したため、避妊効果がある低用量ピルが欲しいのですが…」

低用量ピルは長期的に内服することで避妊効果を発揮するお薬であり、失敗してしまった後にすぐ内服しても避妊効果がすぐ出るお薬ではありません。

「多分失敗はしていないと思うのですが、内服した方が良いでしょうか?」

失敗したか失敗していないかや、実際どんな状態であったのかを知るのは当事者のみになります。アフターピルは「失敗してしまったかも…」というときに内服するお薬のため、次回の生理まで不安な日々を過ごすよりも失敗している可能性が少しでもある場合は内服が必要か医師に相談することをおすすめします。