マンジャロはGIPとGLP-1の2つのホルモンの作用をあわせ持つ世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬の糖尿病治療薬です。
糖尿病治療薬として2022年6月にアメリカで発売され、日本では2023年4月から取り扱いがスタートし現在は2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mgの6種類が販売されています。
マンジャロの特徴は小腸上部から分泌されるグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)と小腸下部から分泌されるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の2つのホルモン作用を持ち合わせていることで、また週1回の注射で良いことが人気の理由になっています。
マンジャロには強力なHbA1cの低下効果と体重減少効果があることが報告されています。
特に2型糖尿病患者に対して行われた海外での研究データでは、これまで日本で販売されていた糖尿病治療薬の中で最も体重減少効果が強いとされていたオゼンピックと比べても非常に強いHbA1c低下効果・体重減少効果があることが示されています。
使用開始40週後の体重とHbA1cの推移
N Engl J Med 2021; 385:503-15より作成
体重減少と食欲抑制の効果
GLP-1およびGIP受容体に作用することで、インスリン分泌の促進、グルカゴン分泌の抑制、胃排出の遅延、食欲抑制などの効果を発揮し、これらの作用により血糖コントロールの改善とともに食欲抑制やエネルギー摂取の減少が促進され、体重減少効果が期待されます。
一般的な副作用
マンジャロの主な副作用には、悪心、嘔吐、下痢、便秘などがありますがこれらは通常、投与初期に見られ、時間とともに軽減する傾向にあります。
吐き気があるときは、揚げ物など脂肪の多い食品は避けるようにし、1回あたりの食事量を減らす、または満腹感を感じたらそれ以上食べるのをやめるなどの工夫をすることで緩和する場合があります。
またこれらの副作用がもし出た場合でも生活に支障のない範囲内であれば、そのまま様子を見る形で問題ありませんが、悪化傾向にある場合は自己判断でマンジャロの投与を中止せず、主治医に相談するようにしましょう。
使い方と用量の調整方法
マンジャロには前述のように2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mgの6種類があります。
必ず増量が必要になるということではなく、まずは週1回2.5 mgからスタートし、週1回2.5 mgを4週間続けた後、週1回5 mgの維持用量に変更します。
その後、維持用量の週1回5 mgを4週間以上投与した後、症状や状態に合わせて増量が必要かどうかを医師が判断する形になります。
高用量のマンジャロを使用すると一部の患者で低血糖や急性膵炎などの重大な副作用のリスクが指摘されています。「高用量の方が体重減少効果が高そう」という理由で安易に増量を希望することは誤りになります。
マンジャロの購入や処方にかかる価格の相場
現在日本ではマンジャロが健康保険の適用となるのは2型糖尿病のみで、ダイエット目的や肥満症に対する保険適用はなく全額自費診療になります。
ちなみに保険診療の場合、マンジャロ5mgの場合は1本(1週間)あたりで価格は3,848円となっており保険診療で3割負担の場合は、自己負担は3848円×4本の3割負担で1か月約4,618円です(診察料・処方料等は別途)
自由診療においての相場感としては2.5mgが1か月2万前後、5mgが3万前後で価格設定しているクリニックが多い印象です。
加えてマンジャロは冷蔵保存となるためクール宅急便や診察料などがプラスでかかることもあるため注意が必要です。
マーチクリニックではリベルサス・マンジャロの処方しています。
オンライン診療にも対応しています。
- 外出や旅行でマンジャロを忘れてしまいました。どうすれば良いですか?
- 次回投与までの期間が3日間(72時間)以上であれば、気づいた時点ですぐ投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与します。
次回投与までの期間が3日間(72時間)未満の場合は追加投与はせず、次のあらかじめ定めた曜日に投与してください。
- マンジャロは毎週同じ時間に注射しないといけませんか?
- マンジャロは週に1回、朝昼晩、いつでも注射可能で同じ日であれば、いつ注射しても問題なく、食事の影響もありません。
- マンジャロは冷蔵庫から出してすぐに打ってもいいですか?常温に戻す必要はありますか?
- すぐに打っても問題なく、何分以上待たなければならないといった決まりはありません。
- マンジャロの薬液の中に気泡がありますが、なくなるまで待つ必要はありますか?
- 気泡の影響はありません。
一定量の薬液が充填されており、全量が投与される設計となっているため気にせず注射して問題ありません。
- マンジャロは冷蔵庫から出してからすぐ使用しないといけませんか?
- 冷蔵保存(2~8℃)であれば使用期限は24ヵ月です(本体記載の使用期限を参考にしてください)
また30℃以下の室温で保存した場合は21日以内の使用であれば問題ありませんが日が当たらないよう遮光が必要です。
- マンジャロは低血糖になりやすいですか?
- マンジャロはGIP/GLP-1受容体作動薬とよばれるタイプの薬でで空腹時には働かず、食後の血糖値が高い状態で作用するため低血糖を起こしにくいといわれていますが他の糖尿病治療薬を併用している場合は注意が必要です。